“夫婦でやる副業”なら何が稼げる?プロが教えるコツ
マイナス成長が続く日本。もはや、単身で老後までの資金を稼ぎ続けるのは苦しい状況に。その中で注目されつつあるのが、協力して副業で稼ぐ夫婦たちの存在だ。最新の「夫婦で稼ぐ」事情を徹底取材! 一家団結で令和を生き抜く新たな稼ぎ方に迫る。
収入アップが見込めるだけでなく、パートナーとの関係も深める夫婦での副業。成功させるには、3つのポイントがある。
第一が「いきなり高収入を狙わず、地道に続けること」だ。経済評論家の加谷珪一氏はこうアドバイスする。
「たとえわずかな金額でも、まずは夫婦で力を合わせて、勤務先に頼らない収入を得る経験を積み重ねていくのが大切。当面は月2万円程度を目標にしましょう」
副業アカデミー代表の小林昌裕氏も、「夫婦で目標を設定し、毎日コツコツと継続して」と話す。
「なんのスキルもないから、と最初からあきらめる人がいますが、本気になれば副業で稼ぐのは誰にでもできます。はじめは皆が初心者であり、毎日継続することでスキルは着実に向上し、収入も上向いてくるのです」
ブログでスモールスタートし、利益が数百円のときもくじけず続けたことで、立派な収益源へと成長させた「いちまろ夫婦」のケースは、この成功例といえる。
第二のポイントは、「すでに持っている夫婦のスキルや、あるいは趣味を生かせる分野を選び、掛け合わせること」だ。
「ECサイトで鉱物を販売する吉岡さん夫妻のように、夫が趣味を生かして仕入れて加工し、妻が販売という本業を生かしてサイトや売り上げ管理するのは、まさに理想的な組み合わせです」(複業専門家の西村創一朗氏)
また、西村氏は「必ずしもスキルや強みがなくても、興味や意欲がある分野なら積極的にチャレンジすべき」と言う。
「本業では経験できない分野に挑めるのが副業のメリット。収入になるまで多少時間がかかっても、本業では得られない人脈やスキルを積み上げることで、本業での評価アップや転職、独立に繋がる例も多くあります。ただ、夫婦の強みや興味を組み合わせる余地がなさそうな場合もあるでしょう。そんなときは、それぞれが別の副業にチャレンジしてもOKです。興味が異なるなら同じ仕事にこだわる必要はありません。
副業はすぐには軌道に乗らないし、孤独を感じやすいもの。一人なら心が折れてしまう局面でも、夫婦で励まし合えば乗り越えられるでしょう。それぞれの仕事に関連がなくても、副業ノウハウには共通するものも多く、家庭に情報交換相手がいることは大きな強みです。特に近しい業種であれば互いに有益なアドバイスもできるので、夫婦で取り組むメリットはより大きくなります」
だが、夫婦はお互い遠慮がないので、些細なことで喧嘩になる事態も。そこで第三のポイントとして、小林氏は「パートナーに過剰な期待をせず、押しつけにならないようにすること」を挙げる。
「もともと副業は一人でやる人が多いのだから、夫婦で共有できていることに感謝し、自分が率先して取り組みましょう。そうすることで相手にも感謝の気持ちが生まれ、仕事もコミュニケーションもスムーズに進みます」