5、6羽くらいやってきた、もふもふの「雪の妖精さん」達。その姿に「こんなかわいい生物がいていいのかー!?」と叫びたくなりましたが、もちろん、驚かさないよう心の中でだけ叫びました。最高の写真を撮るためには集中しないといけません。シマエナガちゃん達はすぐにはつららにとまらず、木の幹や地面にいました。慌てず騒がず、落ち着いて待つことが大事です。私は静かにカメラを構えていました。つららに太陽の光が反射し、きらきらと輝き、とてもきれいでした。

木の陰から飛び出てきたシマエナガちゃん。小鳥だけあって、動きはかなり早い
今か今かと待ちわびていると、何羽か、シマエナガちゃんが向こうから跳んできて、ゆっくりとつららに近づいてきました。「はやくおいで」と祈る私。ついに来た!つららをなめながら3~5秒くらいホバリングしました。その時、シマエナガちゃんとレンズ越しに目が合って「本当にかわいいね!」とメロメロになりつつも、夢中でシャッターを切りました。

樹液が凍ったツララを舐めにくるシマエナガちゃん。ツララの味はメイプルシロップをうすーくしたような感じ
撮った写真を小原さんに見せると「僕の撮った写真より、あーちゃんの撮った写真がいいね!」と褒めてくれました。やったー! 今年夏に富士フィルムさんのギャラリー「フジフイルムスクエア」で、私の写真を展示させてもらうのですが、この展示にも使えるかもーと思いました。シマエナガちゃんとまた来シーズンも会いたいです。
【藍沙プロフィール】
2006年生まれ、東京都出身。小学校5年生から野鳥を撮り始める。2018年9月、グループ展「シマエナガちゃんと仲間たち」(富士フォトギャラリー銀座)に参加。2020年3月に第12回野生動物写真コンテスト(後援:環境省、朝日新聞etc.協賛:富士フィルムイメージングシステムズ)で入賞。愛機は富士フィルムのミラーレス一眼カメラ、X-T3
Facebook:@aiiishaphoto、
Instagram:@photosaisha
<文・写真/藍沙>
藍沙
2006年、東京都生まれ。現在16歳、高校2年生の写真家。動物写真家の小原玲さんに指導を受け、小学5年生から野鳥を撮り始める。中学3年生の時、富士フイルムの若手応援企画「写真家たちの新しい物語」の対象に選ばれ、2020年、伝統ある富士フイルムフォトサロン東京で歴代最年少での個展を行う。同年、全日本写真連盟主催の「日本の自然」コンテストで「朝日新聞社賞」を受賞。NHKBSプレミアム『ワイルドライフ』(2022年4月4日ほか複数回放送)など、テレビ番組にも出演。現在、
『毎日小学生新聞』(毎日新聞社)にて、地球環境と生きものたちをテーマに写真とエッセイを連載中。愛機は富士フイルムのミラーレス一眼カメラX-T4。愛用レンズは XF150-600mmF5.6-8 R LM OIS WR。