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妊婦さんにマスクを無料配布する団体が。集まる感謝の声

 感染者が増加の一途を辿っているというのに、まだまだ得体の知れない新型コロナウイルス。いまや誰もが不安と隣り合わせの状況ですが、なかでも妊婦さんは大きな不安を抱えている人が多いのではないでしょうか。 不安な妊婦 終わりの見えない不安の中、妊婦さんに向けた温かい取り組みに「ありがとう」の声が集まっているようです。

肺炎にかかれば重症化するリスクが高い妊婦…

 そもそも、新型コロナウィルス感染が妊娠に与える影響はあるのでしょうか? 厚生労働省は4月1日、「妊婦の方々などに向けた新型コロナウイルス感染症対策」をとりまとめ、その中のリーフレットでは、「胎児の異常や死産、流産を起こしやすいという報告はない」と明記されています。しかし、「一般的に妊婦が肺炎にかかった場合には重症化する可能性がある」ことから、日頃の健康管理の徹底を呼びかけています。  同じ対策の中で、経済団体や労働団体に対し、休みやすい環境整備やテレワーク・時差通勤の活用促進など、妊娠中の女性労働者への配慮を要請したことも公表されましたが、それはあくまでも要請。いつ、自分の勤務先が具体的に動き出してくれるかはわかりません。  やはり、自分の体と胎児の安全は自分で守っていかなければいけませんが、コロナ対策グッズは相変わらずの品薄状態。とくにマスク不足は当面解消されそうにありません。周囲でもSNSでも「妊娠中なのにマスクが手に入らなくて困っている」「マスクがなくて健診に行くのも怖い」という声が上がっており、妊婦さんの不安は増幅する一方のようです。

中国に送れなくなったマスクを妊婦さんへ

 そんななか、妊婦さん限定でマスクを無料配布する取り組みが行われているのをご存知でしょうか? この活動をしているのは「OMOIYARIプロジェクト」という団体で、母子手帳の画像など妊娠中とわかる証明を添付してサイトのフォームから申し込めば、数日以内に自宅までマスク10枚を送ってくれるのです。
OMOIYARIプロジェクトHPのマスク無料配布画面

OMOIYARIプロジェクトHP、マスク無料配布画面

 なぜこの時期に、それほどマスクを確保できているのでしょうか? そして、なぜ妊婦さんへの配布を始めたのでしょうか? OMOIYARIプロジェクト運営委員会の代表・吉田誠幸さんに話を聞きました。 「私たちは株式会社WILDとして『FACEAWARD』いう腕時計のブランドを展開しており、そもそもは中国でコロナ感染拡大が始まった当初に、マスク不足で困惑する中国の販売代理店やその周辺の方のため、四方八方探してマスクを購入していました。しかし、規制の問題等で中国へマスクが送れなくなり、購入したマスクをどう扱うか検討していたのです」  当時はまだ高額転売などは問題になっていませんでしたが、マスクを求めて長蛇の列ができたりマスクをめぐって喧嘩が起きたりと、日に日にものものしい事態に。そんなニュースを目にし、普通の風邪でも気にかかる妊婦さんに思いを馳せるようになったそうです。 「少子化が問題となっているいま、未来を担う子供たちを守ることはとても大切です。そのためには、病気にかかると重症化しやすいと言われている妊婦さんへのマスク無料配布が効果的なのではと、寄付を思いついたのです。その思いに賛同し、協賛して頂ける企業様や個人様のお力添えもあって、『OMOIYARIプロジェクト』を開始するに至りました」

マスクは北海道にも「少しでも妊婦さんの不安が取り除ければ」

妊婦 産婦人科 病院 これまでにも、産婦人科医会の本部との協議のうえ、患者数が多かった北海道の産婦人科医会に対し2万160枚のマスクを寄贈するという活動をしている当プロジェクト。そのマスクは札幌の医会から道内の産婦人科責任者たちに送られ、来院した妊婦さんに随時配布が行われているとか。  また、静岡県伊東市医師会にも3600枚を寄贈し、妊婦やその家族、死亡率が高いと言われる高齢者を最優先にマスクを配布してもらうようお願いしたそうです。 「現在は、WEBやSNSを通して妊婦さんにお知らせし、1人10枚ずつマスクを無料配布する活動を、在庫がなくなるまで続けたいと思っています。マスク供給が始まるとの政府発表もありますが、それまでの間に合わせになり、少しでも妊婦さんの不安が取り除ければ……と願っています
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温かい取り組みに集まる感謝の声
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