「可哀想」ではなく「かわいい」を浴びせられる社会に
健常な猫と暮らしている方からすると、障がい猫はどこか壁が感じられる存在のように思えるかもしれません。しかし、動物も人間と同じく年をとる中で目が見えなくなったり、うまく歩けなくなったりします。障がいを持つ可能性は、どの子にもあるのです。
「若い頃から障がいがあっても元気に暮らしている猫たちの姿を見られたら、愛猫が老いて障がいを抱えた時に少し不安が和らぐと思います。見た目が他の子と違ったり、出来ないことがあったりするとネガティブに見られてしまいやすいものですが、
心のバリアを取っ払って共存できる社会を猫から始めていきたい。」
猫らしい仕草や性格は障がいがあろうとなかろうと、変わらないもの。多様な生き方が広まりつつある人の社会のように、猫を取り巻く社会にも多様な価値観が広がっていけば家族として幸せに暮らせる猫が増えていくはずです。
「自分は子宝に恵まれなかったこともあり、子育てさせてもらっている気持ちで猫と付き合っています。
たまたまうちの子は目が見えないだけ。目が見えていてもいなくても等しくかわいいいだろうなと思っています。」
「可哀想」ではなく、「かわいい」をたくさん浴びせられるような社会になってほしい。そんな祈りにも似た願いを乗せながら活動を続ける16匹の猫たちは、ありのままの姿で自分らしく生きることの素晴らしさも教えてくれるのです。
<文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:
@yunc24291