新型コロナ不安の中、わざとセキするおじさんがスーパーに…
新型コロナウィルスの感染におびえるあまりピリついたり、笑えない嘘をついて周りを不安な気持ちにさせてしまう人がいるようです。
そんなゴタゴタに巻き込まれてしまった2人の女性にお話しを聞いてみました。
金子真奈美さん(仮名・34歳・主婦)は、最寄駅近くに行きつけのスーパーがあります。
「そこに、いつもイートインコーナーでお弁当を広げてぶつぶつ独り言を言っているおじさんがいるんですよ」
そのおじさん(50~60代)は、日頃、店員さんやお客さんに難癖(なんくせ)をつけて話しかけては無視されていたそう。
「もちろん店員さんや、レジのお姉さんはやんわり相手にはしてくれますが、仕事中なのでサッとかわして業務に戻ってしまい、おじさんはいつも不服そうでしたね」
そして、新型コロナウィルス感染拡大のニュースが毎日流れるようになった頃から、そのおじさんが、あからさまにわざと咳(せき)をするようになったそうで…。

「少し前に、家電量販店で『俺はコロナ陽性だ』って嘘をついて騒ぎを起こして逮捕された男性がいるじゃないですか?まさにあんな感じなんだと思います」
親しいレジのお姉さんから「店長があのおじさんにマスクを渡した事もあるけど、してくれなかった」という話も聞きました。
「いつも無視されていたおじさんは、マスクの事で話しかけられたり、わざと咳をしてお客さんが『キャー!』と騒いだりしているのを見て喜んでるみたいでした」
ですがある日を境に、ぱったりとそのおじさんはそのスーパーに来なくなったそう。
「もしや、本当に新型コロナに感染していて入院したんじゃ?とレジのお姉さんと話をしながらゾッとしてしまいました。従業員もザワついている感じで」
てっきり寂しいおじさんがかまって欲しくて、新型コロナウイルス感染者のふりをしているだけだとばかり思っていた真奈美さん。
「でも、本当に陽性のウィルスばらまきおじさんもいましたもんね。それをきっかけにスゴく身近にコロナを感じて怖くなってしまい、元から毎日つけてたマスクとメガネに加えて、薄手のゴム手袋をつけて外出するようになりました」
スーパーで買ってきた缶やビンやペットボトルなど全部石鹸水で洗い、野菜は火を通さないと食べられなくなってしまったそう。
「以前の何の警戒もせずに暮らしていた日々が懐かしいです。この先、これが普通の暮らしになってしまうのでしょうか?」
ちなみに、そのおじさんがなぜ姿を消したかは謎のままだそうです。こんなふうに孤立している人を、誰もケアしない社会には問題があると思いますがーー。
続いては、ピリピリした子連れ女性から、新型コロナに感染しているのでは?と言われた女性の経験です。
小野紗奈さん(仮名・41歳・主婦)は、近所に住む母親のSさん(63歳)の付き添いで、都内にある某大学付属病院に行く事になりました。
「母親が行きつけの歯医者さんで『舌にあるおできがちょっと気になるから、安心するために見てもらってきて』と言われて、その大学付属病院で働く学生時代からの親友だという先生に紹介状を書いてくれたんですよ」
「もし舌ガンだったらどうしよう?」と不安がる母親を連れて満員電車に揺られ、慣れない駅に降り立ち、朝10時に病院の受付を済ませました。
「コロナが怖いので、本当は満員電車も人が集まる大学病院も行きたくないですが…はやく検査をしてもらってホッとしたかったので」
口腔外科に通され、広いロビーで待っていると母の名前が呼ばれてひとり診察室に入って行きました。
そんなゴタゴタに巻き込まれてしまった2人の女性にお話しを聞いてみました。
スーパーでわざとセキするおじさんの孤独

おじさんはぱったりとそのスーパーに来なくなった
新型コロナが身近な恐怖になった
母親の付添いで大学病院へ
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