Entertainment

NHK大河「光る君へ」、暴君・道兼の衝撃のシーンも。平安時代の煌びやかさをぶち壊す生々しさに驚愕

『光る君へ』(C)NHK

『光る君へ』(C)NHK

1月7日、新たな大河ドラマが始まった。 「光る君へ」。「源氏物語」を書いた紫式部の生涯を描く物語で、主演は吉高由里子、脚本を手掛けるのは大石静だ。 その第1話をレビュー。気になる点はありつつも、2話以降への期待が膨らむ理由を考察したい。 【画像で振り返る『光る君へ』1話】⇒画像をタップすると次の画像が見られます

男女の役割がはっきりとしている、式部の幼少期

第1話の物語は、紫式部の幼少期から始まった。 父の藤原為時(岸谷五朗)は官職を得られず、屋敷の雨漏りを修理することもできないほどに金がない。為時は博学だが上役に取り入ることができないタイプで、なかなか仕事を得られずにいたのだ。 そんな為時を支えるのが妻のちやは(国仲涼子)。自分の衣を食物と替え、為時が職を得られるようにと神社に願掛けに通う。それでちやはは文句をいうわけでもない。ただひたすらに為時のためにとしていることだった。為時、しっかりしてくれよ、と思わずにはいられないが、「男」と「女」の役割がより際立っており、もやもやするものがある。 まひろ(落井実結子)(のちの紫式部)は、父がまひろの弟・太郎に漢籍を読み聞かせているのを横で聞いているうちに覚えてしまった。太郎よりもよっぽど漢籍に興味を持っている。為時はまひろに向かって「お前が男子ならばよかったのになあ」と苦笑いを浮かべる。複雑そうなまひろの表情。今も昔も、「男ならば」という言葉に忸怩(じくじ)たる思いを抱く人がいることには変わりはない。 まひろの紫式部として片鱗と、これからの彼女の未来を暗示したようなワンシーンである。

ドラマオリジナル、無邪気な運命の2人の出会い

『光る君へ』(C)NHK

『光る君へ』(C)NHK

そしてこの物語の肝となるのが、紫式部と藤原道長の関係である。 2人は幼馴染で、「源氏物語」には道長がモデルとなっている人物もいるとか、とかいないとか。ちなみに、2人が実際に幼馴染という記録はないそうで、「光る君へ」ならではの「設定」となっている。 1話では、この2人の出会いも描かれた。 飼っていた小鳥を逃してしまったまひろ。探している最中に、川辺でのちの道長・三郎(木村皐誠)と出会う。 一度飼われた鳥は外で生きられない、というまひろに三郎は「それでも逃げたのは、逃げたかったからだろう」と諦めるよう、諭す。 涙ぐむまひろを笑わせようと、足で字が書けるという特技を披露。まひろは名前より漢文を書いてほしいとねだり、誦じていた漢籍の冒頭を書き、続きを書いてほしいという。 三郎は自分は貴族の子ではないから名前だけが書ければいい、と言い、まひろには「女子なのになぜ漢文が書けるのか」と問う。 そこでまひろの口から咄嗟に飛び出たのは「本当は帝の血をひく姫だから」。嘘というよりは、まひろの頭に浮かんだ空想だ。信じた三郎はまひろを姫と呼び、無礼な口を聞いてしまった詫びに、と菓子を渡す。 まひろも自分の身分を偽ったが、三郎も同じだ。彼は藤原家の三男なのだから。本当の身分を隠し、また会う約束を交わす2人。なんというか、甘酸っぱい。
次のページ 
殺しまで行なう暴君・道兼
1
2
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ