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「俺にできることあったら言って」と声をかけられたシングルマザー怒り狂うワケ。“優しい言葉”が暴力になるとき|ドラマ『不適切にもほどがある!』

 2月2日に2話が放送されたドラマ『不適切にもほどがある!』(TBS系、金曜よる10時~)。1986年で暮らす中学校の体育教師・小川市郎(阿部サダヲ)が2024年にタイムスリップし、“昭和の常識”をふりまきながら、昭和と令和それぞれの偏った価値観を浮き彫りにしていくコメディドラマ。
『不適切にもほどがある!』

画像:TBSテレビ『不適切にもほどがある!』公式サイトより

 2話は、2019年から推進されている“働き方改革”を考え直したくなる内容だった。 【前回記事】⇒生徒の尻をバットで殴る“昭和の暴力教師”が「令和の方がやばい」と思ったワケ|ドラマ『不適切にもほどがある!』

夫が育休を取ったら子どもが保育園に入れない

 冒頭、市郎がタイムスリップした先で仲を深めているシングルマザー・犬島渚(仲里依紗)が、仕事を辞めた理由を市郎と秋津真彦(磯村勇斗)に説明するシーンがある。  テレビ局・EBSテレビに勤務していた渚は、念願だったバラエティ番組制作に携わる機会を得たが、そのタイミングで元夫・龍介(柿澤勇人)との間に子どもを授かったことが判明。出産後にはすぐに働こうとするが、龍介が育休を取得したことを理由に保育園の審査が全く通らない。  そんな中で会社の別館に託児室が新設されることとなり、そこへ子どもを預けてどうにか無事に職場復帰する。

「1人で抱え込まないで」は暴力?

 渚は新人2人を指導したり、子どもに関する呼び出しを受けてちょくちょく別館の託児所に足を運んだりしながらも自身の仕事をこなしていく。ただ、上司の瓜生(板倉俊之)から「1人で抱え込まないで、俺にできることがあったら」とフォローされたが、この“優しさ”が特に癪に障った様子の渚。
 その日を思い出しながら「『俺にできること』っておっしゃいますけど、お前に何ができるか、私お前じゃないからわかんないし」「お前さんができることをお前さんに頼んで、嫌な顔された時のむなしさを考えたら」など、酒で勢いのついたマシンガントークを真彦らに披露する。  瓜生のこの発言にイライラした渚は社内のカウンセリングルームに駆け込んだが、カウンセラーの池谷(中村靖日)から「あなた、何事も1人で抱え込む傾向がありますね」と言われて余計にストレスを積み上げる結果となり、いろいろ爆発してしまい退職することを決めたと語る。
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「働き方ってガムシャラと馬車馬以外にあるのかね?」
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