松本穂香が「怖くて息を荒くした」と絶句…人間の身勝手さと複雑さをえぐる傑作サスペンス
数々の映画やドラマに出演している女優の松本穂香さん。大の映画好きでもあるという松本さんが海外でも高い評価を得た日本映画『mentor』について語ります。

今回、わたしがご紹介させていただくのは、吉田恵輔監督最新作『mentor』です。
二人の少年が花火で遊んでいるところから物語は始まる。無邪気な笑顔の奥で燃え広がっていくアパート。不注意が引き起こした悲劇。
それから15年の月日が経ったころ、罪悪感を背負ったままの拓海の元に被害者である埜本が現れることで、事態は思わぬ方向へと動き出す。

確実にこれはヒトコワホラーです。何しろ吉田恵輔監督! いつどこで物語がひっくり返るのか、怖くて怖くて前半は息を荒くしながらほぼ片目で観てしまいました。信頼と実績から来るものです。
同時にお笑いもぶち込んでくるので感情がひっちゃかめっちゃかでしたが、最終的にはなぜかクリーンな気持ちで観終えることができました。
一言で言ってしまうと、被害者と加害者の話なんですが、現実とは無縁だと思われる設定でもまったくの他人事だと思えないのは、そこに恋愛に近しいものを感じたからかもしれません。

出会ったことで世界が色づき、相手の一挙手一投足を自分のものにしたいと願う。次第に相手に幻想を抱いていたことに気付き熱が冷めるが、自分の中心が相手になっているので離れることができずしがみついてしまう……というように未熟な恋愛そのものに見えました。
特に別れのシーンの人間らしさがまた恐ろしかったです。相手の前では悲しむ姿を見せて、ドアが閉まった瞬間にスっと醒めて二人の思い出を簡単に消せちゃうあのかんじ! でも、これがまったくパフォーマンスでもないんですよね、きっと。
あなたが必要だと縋り付くのもウソの感情ではない。そこがまた人間らしくって……その複雑さを含めて人間って愛おしいですね。面白かった〜! ぜひ映画館でご覧ください!
『mentor』
配給/エイベックス・フィルムレーベルズ、スターサンズ 全国公開中 © 2026「mentor」製作委員会
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<文/松本穂香>

松本穂香
不注意が引き越した悲劇から15年…
感情がひっちゃかめっちゃかに

複雑さも含めて人間って愛らしい

松本穂香
1997年2月5日生まれ。大阪府出身。2015年『風に立つライオン』で長編映画デビュー。2017年連続テレビ小説『ひよっこ』に出演して注目を集め、2018年にはTBS日曜劇場『この世界の片隅に』で主演に抜擢。2023年、映画『“それ”がいる森』で日本アカデミー賞優秀助演女優賞を受賞。2024年、月9ドラマ『嘘解きレトリック』でW主演。2026年は1月期ドラマ『50分間の恋人』、4月期ドラマ『タツキ先生は甘すぎる!』、プライムビデオ『エンジェルフライトTHE MOVIE』、連続テレビ小説『ブラッサム』、映画『ファーストボイス』、『ママがもうこの世界にいなくても 私の命の日記』に出演。
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