●連載「ファッション誌が答えてくれない相談」12　by小林直子● 　甘辛ミックスというものがいまいちよくわかりません。どうすれば甘辛ミックスになるのでしょうか？ また何か気をつける点などありますか？ 回答：小林直子（ファッション・ブロガー）　 　いつからでしょうか。ファッション誌などで「甘辛ミックス」という言葉でコーディネイトが紹介されるようになりました。「甘いはフェミニン」つまり女っぽいこと、「辛いはマスキュリン」で男っぽいことです。 　ですから、甘辛ミックスとは、すなわち女っぽいものと男っぽいものをミックスさせるコーディネイトということになります。 　女っぽいものの代表としてはワンピース、スカートなど、またディテールとしてはフリルやレース、プリーツやリボンなど、素材はシフォン、サテン、ジョーゼットなど、どれもメンズのアイテムにはほとんど見られないものです。 　一方、男っぽいものはライダース、パンツスーツ、Gジャン、MA-1ジャケット、モッズコートなど、たくさんあります。とくに、もともと軍服として着用されたものはすべて男性向きなので、今のようなカジュアルが大変流行っている時代には、女性でも、すでにたくさんの男っぽい衣服を持っていると思います。 　これら女っぽいものと男っぽいものをミックスさせるのですが、代表的なものとしてはワンピースにライダースとバイカーブーツ、モッズコートにミニスカート、ロングブーツといったところでしょうか。 ⇒【写真】はコチラ https://joshi-spa.jp/?attachment_id=637529 画像：WEARより 　ポイントは、全身のコーディネイトのなかに必ず女性しか着ないもの、選ばないものを入れることです。例えば、ライダースにセーター、ジーンズにスニーカーでは、それらがすべて女性用のものであったとしても、甘辛ミックスにはなりません。なぜならライダースもセーターもジーンズもスニーカーも、男性が着用するからです。 ⇒【写真】はコチラ https://joshi-spa.jp/?attachment_id=637747 画像：WEARより 　この場合、例えばスニーカーをハイヒール、またはバレエシューズに変えるか、またはジーンズはやめてスカートにするか、どこかしら男子絶対使用禁止アイテムを投入しなくてはなりません。これを間違ってしまうと、単なる男装となり、おしゃれとは違う意味のものになってしまいます。街中で本気の宝塚の男役のような格好したところで、それは一種の仮装にすぎません。