夫婦はそれぞれ不倫、息子は大荒れ…ズタズタの家族に言った夫の一言に涙
何らかの事情で一度関係の壊れかけた夫婦でも、思わぬきっかけで再生することがあります。男女関係や不倫事情を長年取材し著書多数のライター・亀山早苗さんが、夫婦の“再生物語”をレポートします。(以下、亀山さんの寄稿)
不思議な夫婦に出会った。カスミさん(47歳)とタカシさん(45歳)だ。結婚して17年、17歳と12歳の子どもがいる。ふたりはそれぞれに不倫をし、一時期は完全に離婚に向かっていたという。
同じ会社の同じ部署で仕事をしていたカスミさんとタカシさん。仕事で互いに信頼関係を深め、あるとき一気に恋愛モードに入った。結果的には「できちゃった結婚」だったが、周りからも祝福され、本人たちも納得した上での結婚だった。
「結婚後、彼は異動になって勤務地も変わりました。私は出産ギリギリまで仕事をして育休もそこそこに仕事に戻ったんです」
仕事が好きだったせいもあるが、どうやらタカシさんよりカスミさんのほうが仕事ができるため会社からも期待されていたよう。結婚して7年たったころ、どことなく夫の様子がおかしいと気づく。
「下の子はまだ保育園だったし、夫とは協力しあって迎えに行ったり食事をさせたりしていたんですが、その約束を破るようになったんですよ。それとなく夫の部署を探ったけど、仕事はそれほど忙しいわけではないはず。とにかく家事も育児も分担しようと決めたんだからきちんとやって、とそのときは冷静に話しました」
そんな中、夫が浮気をしているという噂が耳に入ってきた。相手は20代半ばの夫の部下だという。
「恋愛って燃え上がっているときに他人にとやかく言われてもどうにもならないでしょ。ただ、社内でこういう噂がたつのはよくない。だから夫に話しました。『バレないように、相手を傷つけないように』って。そうしたら夫が『カスミはいつだって、そうやって母親みたいにオレに指図する』と逆ギレ。そのまま家を出て行ってしまいました」
数日で夫は戻ったが、夫婦間には微妙な緊張感が続いた。それでも下の子の入学式には夫婦そろって出席、日常的な会話もするようになっていった。どうやら夫の浮気はいつの間にか終わっていたようだ。
上の子が中学に入ったころ、今度はカスミさんに恋が降ってきた。キャリアアップのため受講したセミナーで知り合った同世代の男性で、セミナー修了後も連絡を取り合い、徐々に親しくなっていった。
「たまに食事するだけの関係だったのに、ある日、どうしても別れがたくなって。それからお互いに恋しさが募って、毎日帰りがけに10分でもいいから会いたいという気持ちでした。代休をとって彼と1日中ホテルにいたこともあります。なんとか家庭には支障のないようにしたつもりだったけど、今度は私が家事育児で約束違反をしました」
恋しくてたまらず、夜中にリビングで泣いていたこともある。彼とはいっそ駆け落ちしようかという話にまでなったが、お互いに家庭を捨てることはできないと「正気に」戻った。そんな状態だから、もちろん夫も不信感を抱く。
「早く帰ると言いながら午前様になったことがあるんです。さすがに夫が怒りました。子どもたちもひとりで留守番できる年齢にはなっているけど、何かあったらどうするんだ、と。私は私で責められたことが悔しくて、自分だってとかつての夫の浮気の件を持ち出して大げんか。今度は私が家を飛び出してウィークリーマンションで10日ほど過ごしました」
ウィークリーマンションには毎日彼が来てくれた。だが、彼が泊まっていったのは1日だけ。これが不倫なんだ、とカスミさんは身にしみた。
先に浮気をしたのは夫
浮気を指摘したら家出した夫
数日で夫は戻ったが、夫婦間には微妙な緊張感が続いた。それでも下の子の入学式には夫婦そろって出席、日常的な会話もするようになっていった。どうやら夫の浮気はいつの間にか終わっていたようだ。
自分も不倫にはまって……
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