夫婦はそれぞれ不倫、息子は大荒れ…ズタズタの家族に言った夫の一言に涙
息子が高校受験失敗で荒れた時、夫は
不倫の彼とは一時期ほどの情熱ではなくなったが、まだお互いに恋しているし相手を必要としていた。家族で旅行をしても、夫と子どもたち、自分と子どもたちは意思疎通ができているが、夫と自分は心が離れている。そんな気がして楽しめない。いっそ離婚して子どもと3人で暮らしたほうがいいかもしれない。カスミさんの気持ちは徐々にそちらに傾いていく。ところが…。
「上の子が高校の入試に失敗してしまったんですよ。荒れて暴れて手がつけられなくなった。複雑な気持ちでいた夫と私のことを感じ取っていたんでしょうね。やり場のない気持ちを私たちにぶつけてきた。『こんなニセモノの家族なんて壊しちまえよ』と息子が言って夫に殴りかかったとき、夫はその手をバシッと受け止めて『愛情はニセモノじゃない』と言いきったんです」
息子はハッとしたようだった。夫は親だって完全、完璧ではない。いろいろ迷うし自分の人生で悩みもする。だけど「オレもおかあさんも、いつだっておまえたちを全力で愛してきた」と夫は力説した。
「高校受験を失敗したからって人生を失敗したわけではない。いくらだっていろいろな道がある、と私も必死に説得しました。あのころは毎日怒濤の日々でした。親対子どもたちのバトルがすさまじかった」
結果的に、息子は補欠繰り上がりでなんとか某私立校に入れたのだが、それでも親子バトルは終わらない。ついに春休み、夫は息子とふたり旅に出た。
いざという時、真剣に向き合ってくれたのは夫
亀山早苗
フリーライター。著書に『くまモン力ー人を惹きつける愛と魅力の秘密』がある。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。Twitter:@viofatalevio
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