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なぜ、自慢話をする男は自分の非モテに気が付かないのか?

 自分の自慢話をしてくる男性って必ずどこにでもいますよね。直接的な自慢ではないにしても、聞いてもいないのに自分の話題を強引に出してきては「すごい~」と褒めてもらいたいオーラ全開の人たち。合コンや出会い目的のパーティーなどに行けばそのような男性に遭遇する確率は高いですし、女子会などでも頻繁に悪いデートの例として彼らのエピソードが登場します。  ですが、彼らは私たちを嫌な思いにさせているだけでなく、日本経済の足も引っ張っていると私は考えています。日本企業はとても素晴らしい技術をたくさん持っているにもかかわらず、売れる製品を自ら創りだせないことは有名です。たとえば、スマートフォンの基幹部品の多くは日本が世界をリードしているわけですが、消費者に届けられるスマートフォン本体に関しては、世界で上位トップ5に入るシェアを獲得している企業はありません。市場を引っ張ってきたアップルやサムスンはおろか、後発の中国勢にもあっという間に抜かれました。また、家電をはじめ、かつて世界でトップの座にあったにもかかわらず凋落して行った市場は枚挙に暇がありません。  日本は技術があっても、消費者が「どんな製品を必要としているか」「どのようなものを素晴らしいと感じるか」を見極めるマーケティング力が無いのです。素晴らしい製品が消費者に売れるのではなく、消費者に売れた製品が素晴らしいということを完全に忘れています。昔は良いものを作れば必然的に売れるという時代もあったのかもしれないですが、そんな時代はとっくに終わりました。にもかかわらず、自分たちに基準で「素晴らしい」ものにこだわってしまっている。だからこそ日本企業の製品はジリジリと世界での地位を下げてしまっています。  この勘違いが日本人男性のデートにも如実に表れていると思うのです。たとえどれだけ仕事で素晴らしいことをしていたとしても、それは会社の中での評価の基準であって、デートをしている相手からすれば全く関係ありません。たとえばその人が上場企業の部長の地位にあったとして、確かに彼の能力は同じ企業にいる他の人よりも秀でていたかもしれないのですが、その能力を判断したのはあくまで人事部の判断基準です。  ですが、もちろんデートの相手は人事部ではありません。男社会の基準ですごいと評価されたことが万人共通ですごいことだというのは完全に勘違いです。たとえすごいことでも関係性が構築されていない段階で言われても共感できるわけがありません。本当にすごいかどうかを決めるのは受け手の心であって、話し手の基準で決めることではない。にもかかわらず、「僕ちゃんすごいでしょ」という態度で自慢する人や、褒められようと自ら話題を誘導する男性が後を絶ちません。こんなことばかりしているから女性に心からすごいと思ってもらえないし、消費者が素晴らしいと思えるような製品・サービスを創り出すことができないのです。  彼らがなぜこのような発想になってしまった理由の一つとして、彼らの成長過程に問題があると考えられます。彼らは小さい時から女性以上に点数や偏差値で評価され、学歴で評価され、会社名で評価され、職位や地位で評価され、年収で評価されてきた。親や先生をはじめ、周りの大人や社会からも。友人からも体のサイズや性器のサイズなど序列的評価基準を刷り込まれる。このように、個性や人間性といった質的要素で評価されず、形式的な量的基準でのみ評価されてきたため、そのような評価基準が絶対的なものだと思いこんでしまっているのです。  ですが、もちろん男女関係は気持ちの繋がりです。中には年収や肩書きなどの量的基準に比重を強く置く女性もいますが、気持ちが動くのはやはり質的な評価のほうが重要である場合が多いはずです。パートナーのどこに心が動いたかについて様々な女性の声をインタビューで傾聴していると、「え、こんなところを良いと思ったんですか!?」と感じたことはたくさんあります。前回の記事(http://joshi-spa.jp/182279)では女性の魅力は外見だけではなく、表情、声、話し方、姿勢、仕草、目線、知識、技術、発想、着眼点、感受性、センス、哲学、時には心の闇に至るまで全てが魅力であると書きました。これは男性だって同じです。にもかかわらず彼らはその魅力を磨くことなく、画一的な男社会の評価基準でのみアピールしている光景は自ら美しい羽根をもぎ取るクジャクのようであり、もはや滑稽としか言いようがありません。  彼はあくまで自分を褒めてくれる「癒しワイフ」的な女性像を求めているだけで、こちらのことは真剣に見てくれないのですから、当然恋人はおろか友人としても付き合いが浅いほうがおススメです。たとえ上司のように関係が切れない相手であっても、むやみやたらに褒めて相手を調子に乗らせると後が厄介なので、嫌な気持ちを持たれない程度に受け流すことを心掛けて欲しいと思います。
勝部元気氏

知床産「トドの刺身」を食べました!面白い味です(勝部)

⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】 【勝部元気氏】 コラムニスト。ジェンダー論、現代社会論、コミュニケーションを切り口にした男女関係論が専門。男性でありながら子宮頸がんワクチンを接種。『勝部元気のラブフェミ論』(http://ameblo.jp/ktb-genki/
勝部元気
1983年東京都生まれ。早稲田大学社会科学部卒。コラムニスト・社会起業家。専門はジェンダー論、現代社会論、コミュニケーション論、教育論等。他にも幅広い知識習得に努めており、所持資格数は66個にのぼる(2015年6月現在)。雑誌・TV・web等でコメンテーター活動をしている他、働く女性の健康管理を支援するコンサルティング会社(株式会社リプロエージェント)の代表取締役CEOを務めるなど、各種ソーシャルビジネスに携わっている。ブログは、男性なのに子宮頸がん予防ワクチンを打ったレポートが話題となった。twitterは@KTB_genki 。初の著書『恋愛氷河期』(小社刊)は発売中
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恋愛氷河期

著者は、ナンパ禁止論や反・不倫論で話題を呼んでいるコラムニスト。男性から、かつ若手からの立場で、女性に厳しい社会に真っ向からダメ出しをする。

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