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池松壮亮×寺島しのぶ、R15・不倫ドラマの官能シーンがリアルすぎ!

 池松壮亮と寺島しのぶが共演、と聞くと、新作映画の話だと思うかもしれない。でも、実力派豪華キャストがタッグを組んだ『裏切りの街』は、映像配信サービス「dTV」(※)で2月1日より独占配信されるオリジナルドラマだ。
『裏切りの街』より_1

『裏切りの街』より

 昨今、アメリカでは映画よりもドラマの方が面白いという現象が起こっているが、日本でも、映画やテレビドラマよりもネットドラマの方が面白いという逆転現象が起こりつつあるようだ。

鬼才・三浦大輔による衝撃の不倫劇

 同作のストーリーは、平凡な主婦の智子(寺島)が、出会い系サイトで知り合った15歳年下のフリーター(池松)と不倫関係に陥る、というもの。 ⇒【YouTube】dTVオリジナルドラマ「裏切りの街」予告 http://youtu.be/curdzjkAXqQ  予告動画を見ればわかるように、二人の関係はやがて互いの夫と彼女に感づかれ、智子は妊娠することになるわけだが、その後の展開もひと筋縄ではいかない。なんといっても、同作の脚本・監督を手がけたのは三浦大輔なのだ。  三浦は『愛の渦』(2005年)で演劇界の芥川賞と称される岸田國士戯曲賞を受賞後、その映画版(2014年)を自ら監督し、近年、映画監督としても注目を集めている。今回の作品も自らが過去に手がけた舞台が原作で、「僕の舞台作品の中でも最も映像化したかった作品」と本人が言うだけに、「ドラマ」という器があまりにも小さすぎる、映画級の作品に仕上がっている。

動き、音…リアルすぎる官能シーン

 三浦といえば、その性描写の生々しさでも知られる。舞台上で「本当にヤッている」と思わせるような生々しいシーンは、時折、気分を悪くする客もいるほどだ。本作ももちろん、dTVのオリジナルドラマ初となるR指定(R15)。菅原と智子のあまりにもリアルな動きと音(特に音!)にぜひ注目していただきたい。「え、本当にしてる!?」と思ってしまうレベルだ(ちなみに、本作はdTVのオリジナルドラマ初の4K対応作品でもあるようなので、大画面で楽しみたい方はどうぞ)。 ⇒【写真】はコチラ http://joshi-spa.jp/?attachment_id=448418
『裏切りの街』より_2

『裏切りの街』より

 そんな体当たり演技を繰り広げた二人は互いについて、「凄い方だということは僕が言うまでもなく、たくさんのことに身を捧げてきたその人柄の深さを垣間見せてもらうことが出来て、とても刺激的な日々だった」(池松)、「職人のような人でした。二人で目を合わせながらその場で感じるお芝居をするのは快感でした」(寺島)と語っている。

現実は笑ってしまうほどゲス

 もちろん、見どころは性描写だけではない。人の業や性(サガ)を、こちらが身につまされるほど徹底的にリアルに、そしてどこか滑稽に描くのも三浦作品の魅力だ。  たとえば、予告にもあった、二人が初めてキスするシーン。サッとチュっとするのではなく、菅原が「ちょ、すいません。すいません」と言いながらぎこちなくキスするのが、妙にリアルなのだ。
『裏切りの街』より_3

『裏切りの街』より

 また、菅原がラブホテルで初めて智子と関係を持った時に、次のように話すシーンも象徴的だ。 「俺、自分でもすげーイヤなやつだと思うんですけど、彼女に罪悪感を感じちゃってて、俺って意外と優しいんだなと思って」  そんな菅原のゲスな発言に智子が「それ、わかります」と真剣な表情で同意した次の瞬間、二人は室内のテレビに流れるサンドイッチマンのコントを、何事もなかったかのように笑顔で見入る。この罪の痛みを忘れる早さもまたなんともリアルで、笑っちゃいけないけど笑ってしまう。

専業主婦とヒモの心の穴

 15歳差の二人が惹かれ合う。そこに説得力を持たせているのが、智子が“専業主婦”で、菅原が彼女に養われる“ヒモ”であるという点だ。夫と彼女に経済的に依存していることに引け目を感じ、相手に甘えながらも疎ましく思う。でも、そこから離れることができない閉塞感と無力感ーーそんな共通の心の穴が共鳴していく様が、とても自然に描かれている。  心の穴を塞ぐように抱き合う二人。そこには、恋愛感情なんてものはない(ように見える)。ただ、智子のことを自分の携帯に「おばさん」という名前で登録しているのに、そのおばさんにメールを打つ時の菅原の表情がどこか優しいのが印象的だった。  別に好きじゃないはずなのに、会うのが待ち遠しい。そんな菅原の複雑な心情を歌い上げたような主題歌「ピンクローター」(銀杏BOYZ)も本作で重要な役割を果たしている。三浦が「ピンクローターを書いてくれたからこの物語が生まれた」と語るほど、原作の世界観を表現した一曲だ。
銀杏BOYZ

銀杏BOYZ(峯田和伸)。峯田は、過去に三浦の舞台『母に欲す』(2014年)に池松と共に出演している

 さて最後に、これから本作を楽しむ方には、必ず2回以上観ることをお勧めしたい。また違う楽しみ方ができるし、三浦のある“遊び心”に気づくかもしれない。 ※dTVは、NTTドコモとエイベックス通信放送が提供する動画配信サービス。月額500円で、ドコモ以外のキャリアのユーザーも、スマホおよびタブレット、PC、テレビで楽しむことができる。 <TEXT/ツジコエリコ>
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