バカリズムの描く不倫がクズすぎて爽快!「黒い十人の女」はこの秋一押しのドラマ
【芸能ライター・スナイパー小林のドラマ評~2016秋ドラマ 深夜編 その1】
今クールの深夜ドラマがやけに見ごたえがあると話題だ。数ある番組から「黒い十人の女」「家政夫のミタゾノ」「勇者ヨシヒコと導かれし七人」「とげ~小市民 倉永晴之の逆襲~」「潜入捜査アイドル・刑事ダンス」の5つをピックアップ。芸能ライターが(おもしろくて)ニヤニヤしながら、秋の夜長にピッタリな作品たちを総評する。
●黒い十人の女
日本テレビ、読売テレビ/毎週木曜23:59~
出演・船越英一郎、成海璃子、トリンドル玲奈、水野美紀、佐藤仁美
風松吉(船越英一郎)はテレビ局のドラマプロデューサー。彼は美人な妻がいながら、9人の愛人がいるというとんでもないクズ男。それもテレビ局の受付嬢、女優、部下、ヘアメイクと割と手近なところに手を出している。おかげで最近、愛人の座に加わった神田久未(成海璃子)を筆頭に愛人同士がお互いの存在を知ることになってしまう。回を追うごとに暴かれていく愛人の正体。最終的に9人の愛人同士は徒党を組むことになるのだろうか? それとも愛の主犯格となってしまった風が追い詰められることになるのだろうか?
今クールのドラマで個人的にいちばんお気に入りのドラマ。不倫という旬すぎるネタを、バカリズムの脚本が「(不倫しているのは)クズだよね!」とザックザク脚本で斬りまくっているのが爽快だ。彼の脚本したドラマはほぼすべて見てきたけれど、今回のドラマは女の渦巻く情念がコミカルに描かれていて笑いが止まらない。お笑いを知っている人の観点が小気味よくストーリーに刻まれている感じ。
毎回、続々と登場する愛人たち。中でもいい味を出しているのが中年、子持ち、小太り、風の部下である弥上美羽(佐藤仁美)。なんとか風を自分ひとりのモノしようと他の愛人に近づき、別れるように追い込んでいく。その様子がもうこの人にしかできないんだろうな、と思わせるくらい絶妙な意地悪さを醸しだしている。そんな美羽にくっついてまわる久未の心の中でぶちまける本音もいとをかし。
男にこのドラマを通して告ぐ。女って本気出すとマジで怖いよ。
<TEXT/スナイパー小林>
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【スナイパー小林 プロフィール】
ドラマ解説、芸能、恋愛、カルチャー、美容・健康ネタ好きのライターであり、編集者であり。執筆や編集を手がけた媒体は100冊以上。約20年以上ドラマをこよなく愛し、ついには趣味が仕事になった幸せ者のアラフォー。Twitter:@hisano_k
バカリズムの脚本が楽しすぎるじゃないの
スナイパー小林
ドラマ解説、芸能、恋愛、カルチャー、美容・健康ネタ好きのライターであり、編集者であり。執筆や編集を手がけた媒体は100冊以上。約20年以上ドラマをこよなく愛し、ついには趣味が仕事になった幸せ者のアラフォー。Twitter:@hisano_k