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話題の「遺伝子検査ダイエットキット」、信憑性は●%? 記者が試してみた

「遺伝子検査」って何やらけったいな感じがして、日常生活には必要のないものに思えますよね。  でも、一言で「遺伝子検査」と言ってもその用途は広く、専門的なところでは犯罪捜査に用いられますが、最近は民間レベルでも検査可能で、たとえばダイエットの強い味方になるものもあるそう。  記者もそうですが、あるときは単品ダイエットをしてみたり、またあるときは断食ダイエットをしてみたりと、“ダイエットジプシー”な女性は少なくないと思います。それって結局、どのダイエットが自分の身体に合っているのか分からないから、情報に振り回されるばかりで芳しい結果が出ないんですよね。  さて、遺伝子検査がどうダイエットに繋がるかというと、自分の肥満遺伝子を分析することで効率的なダイエット方法(=何を制限すれば痩せやすいか)が判明するのだとか。  今回は、一般の人でも気軽かつ安価に試すことのできる某遺伝子キットを実際にインターネットで注文してみました。今回注文したキッド以外でも各社が販売していますが、どこも約6000円が相場のようです。  注文から1週間ほどで届きました。付属の綿棒でぐりぐり両頬の内側をこするそう。思わずおえっとなります。 遺伝子検査,ダイエット 送った綿棒は検査され、2~3週間で分析結果が届きます。記者は脂質の代謝が苦手な「洋なし型」だそう。 ⇒【写真】はコチラ http://joshi-spa.jp/?attachment_id=71522 遺伝子検査,ダイエット 全ての人は、糖質で太りやすい「りんご型」、筋肉がつきにくい「バナナ型」、脂質で太りやすい「洋なし型」、そして生活習慣に問題がある「アダム・イブ型」という4種類に分けられるそうです。検査機関から送られてきた冊子の中には、記者=洋なし型の人に対し「タンパク質を最後に食べること」という食生活におけるアドバイスや、有効なエクササイズがいくつか紹介されています。  なるほど、と思いつつもこの「遺伝子ダイエット」は病院などの医療機関が行っているものではなく、民間の検査機関が行っている点が気になります。そこで、日本で151名しかいないという認定遺伝カウンセラーの四元淳子氏にお話を伺いました。

理論は正しいけど……「占い」のようなもの

遺伝子検査,ダイエット

認定遺伝カウンセラー・四元淳子さん

――「遺伝子検査キット」について、遺伝子の専門家として率直な意見をお聞かせください。 「確かに肥満に関連する遺伝子というものは存在します。その情報を分析することで個人に合った食事方針や痩身に関する効率的な方法を見つけようという考え方は間違っていないでしょう」 ――では同社が掲げる「90%の人が満足!」というフレーズは正しい、と。 「おそらくですが、それは『精神的に』満足している、ということなのでしょうね。というのも、本来60個程あるといわれている肥満に関する遺伝子の内、この会社では3種類しか分析していないようなので、これだけで『100%正確な結果』を出すことのほうが無理と思うのが当然のような気がしますが」 ――60分の3!やはり6000円では3つしか調べてもらえないんですね……(笑) 「ダイエット目的で肥満遺伝子を全て調べようと思ったら……ちょっと現実的には難しいかもしれませんね(笑)」 ――なるほど……。検査結果を見ると、私の場合は「脂質を控えること」とありますが、これは「脂質さえ制限すれば他の物をどか食いしても大丈夫!」というわけではありませんよね。 「そうですね。個人的にはこの検査はとても簡易的に見えますし、いわば『占い』のようなものだと思うんです。検査結果はある種の方向性としてとらえ、それを参考に食生活を見直すと良いと思います」  遺伝子レベルからアプローチするダイエットと聞くと、革新的な響きで興味深いのですが、遺伝子のプロが言うように、これはあくまで簡易的な検査。結果は“参考にする”程度がおすすめです。 <TEXT・PHOTO/井上こん> 【四元淳子さんプロフィール】 鹿児島県出身。神戸市外国語大学を卒業後、全日空、地方テレビ局を経て、全国に151名しかいない「認定遺伝カウンセラー」に。現在、昭和大学病院で、周産期と遺伝性がんの遺伝カウンセリングを行いながら、母校のお茶の水女子大学大学院で非常勤講師として講義を受け持つ傍ら、臨床遺伝関連の研究にも取り組む。
井上こん
’86年生まれ。明治大学農学部中退。120倍激辛麺/1リットルジョッキ酒/ドヤ街宿泊レポ/ローション運動会など、アレな取材多し。「はまれぽ」、「SPA!」などで執筆。TCGにて猫のボランティア活動も。twitter@koninoue
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