今回発表されたのはあくまで「DV被害者で住民票を移せていない人」に対する措置。
離婚準備中など他の理由による別居の場合は対象外なので、個人で手当を受給するためには4月27日までに住民票の異動手続きを終えていなければなりません。政府は慌てて住民票を移したり世帯分離をしたりする人たちのことまでは、想定していなかったのでしょう。

また、
「世帯主と同居しているが受給が困難」という人への救済措置も、現状では用意されていないようです。(4月24日時点)
※外出自粛等で懸念されるDVの増加や深刻化に対しては、「
DV相談+(プラス)」という24時間対応の相談窓口が新たに設置されています。
現在は昔以上に多様な家族の形があり、世帯主の下で家族全員仲良く暮らしている、という家庭ばかりではありません。
全てのケースに対応できる措置というのはおそらく存在せず、今回の騒動は世帯単位での施策の難しさについても考えさせられるものでした。“世帯”という考え自体を疑問視する声も出ています。
それでも、困っている人たちが正しい形で声をあげれば政府に届き対応がなされることもあるのだと、勇気を得られた人もいるはず。急きょ用意されたと思われるDV被害者向けの措置により、決して少なくない人数の人たちが、胸をなでおろしていることでしょう。
困難にある方々が、1人でも多く救われることを望みます。
<取材・文/女子SPA!編集部・黒塩>
◆DVの相談窓口
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DV相談+(プラス)(内閣府 男女共同参画局)
電話相談は9:00~21:00(4月29日から24時間受付)
メール相談とチャット相談は24時間受付
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配偶者からの暴力被害者支援情報 被害者を支援する相談機関の説明と連絡先一覧(内閣府 男女共同参画局)
◆参考
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特別定額給付金に関するお知らせ(総務省作成)
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内閣府男女共同参画局の新型コロナウイルス感染症に関連する取組情報