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元ヤン夫が反動で教育パパ化「私立小学校に通わせる!」と主張を曲げず…

 親なら子供にできるだけいい教育を受けさせてあげたいと思うものですが、なかには自分が学歴で苦労したから「せめて子供には……」と考える人も多いようです。 「まさに夫(44歳)がそのタイプです。私は子供が公立小学校でも全然かまわないと思っていたのですが、『私立に通わせる!』と言って譲らなくて」
父と子供、教育パパ

写真はイメージです(以下同じ)

公立に子供を通わせたくない夫

 そう話すのは、2人の子供を持つ野本舞香さん(仮名・36歳/雑貨メーカー)。現在、都内の私立小学校に通う8歳の息子に続き、6歳になる娘も来年私立に入れようと夫婦でお受験をサポートしているといいます。 「新型コロナウイルスの影響で学校説明会がすべて中止になり、正直どうなるのか先が見えない状況です。受験日程も例年なら9~10月ごろですが、今年は大幅に変更になる可能性がありそうなので夫はそれをすごく心配しています」  ただし、仮に入学できたとしても学校へは息子同様、電車通学になる予定。それが母親としてすごく心配だといいます。 「コロナが収束するのは1年後やもっと先なんて報道もありますし、電車での通学は感染のリスクがあるじゃないですか。  夫には改めて公立という選択肢も考えていいのではと伝えたのですが、『そのころにはきっと収まっているはず。ここで公立に進学させたら娘のためにならない!』と言って自分の主張を曲げませんでした。子供の将来を思ってのことなのは理解できますが、もう少し柔軟に考えるべきじゃないかなって」

夫が教育熱心なのは苦労した反動?

父親と子 ちなみに夫は北関東出身。出会ったときは誠実そうな会社員に見えましたが、少年時代は相当荒れていたらしく暴走族にも所属。ヤンキー漫画の登場人物のようにケンカに明け暮れる日々だったとか。  最終学歴こそ大卒でしたが、高校は謹慎処分を複数回食らって出席日数が足りなくなって中退。その後は働きながら大検(現・高校認定試験)を取得するなど人よりも遠回りしていたそうです。 「中退後にアルバイトを転々としていたそうですが、そこで学歴がないことをバカにされることが多かったらしく、それで大学進学を目指したと話していました。一応、私も大学を出ていますが、そんな苦労は経験していません。  夫には若いころに苦労をした反動からか、子供には自分のように道を踏み外させたくないって思いがあるんです。昔のことを聞いて夫の気持ちはわかっているので、私もそこまで強く言うことができなくて……」  でも、一方では親のエゴや自己満足ではないかと考えてしまうこともあるそうで、「本当に子供のためになっているのか、自分でもわからないんです」と舞香さん。 「夫の友人には不良時代から付き合いのある方もいて、家族ぐるみで食事やお出かけしたりしているんですが、夫ほどではないにしても子供にたくさん習い事をさせたり、海外留学に積極的だったりと教育熱心な人が多いんです。だから、周りに張り合っているように感じることもあって」

夫の言う通りにしたら家計が破綻する

教育パパ化した元ヤンキー夫 それでも幸いなのは、なかば親の押しつけであっても子供が嫌がっていないこと。そのせいか夫は「今よりもっといい教育を受けさせたい」という思いがますます強くなっているといいます。 「去年くらいから『本当は私立よりもアメリカンスクールや海外のボーディングスクール(寄宿学校)に通わせたい』とか言い出し始め、勝手に資料とか請求しているんです。お金に余裕があるならいいですが、ウチの家計では通わせられません。さすがに無理だと言いましたが『実家に援助してもらえば……』と諦めてないみたいで。  昔さんざん迷惑をかけておいて、さらにお金をたかるってありえないですよ。本当なら私たちが援助しなきゃいけないくらいなのに」  子供の教育は親にとって優先すべきことかもしれませんが、だからといってすべてを犠牲にしていいわけではありません。実際、子供の教育費が家計を圧迫しているケースも多く、そうならないためにも夫婦でしっかり話し合うようにしたほうがよいのではないでしょうか。 ―シリーズ「私が気になって仕方ない感覚や言動の違い」― <文/トシタカマサ イラスト/ただりえこ> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
トシタカマサ
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
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