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香川県出身の夫、妻のうどんをディスり新婚早々夫婦ゲンカに

 日本ではラーメンやそばよりも古く、室町時代から親しまれてきたうどん。おそらく、読者のみなさんも自宅や外で日常的に食べる機会は多いでしょう。
きつねうどん

写真はイメージです

 けれども、ほかの麺料理同様、うどんも地域によって違いがあります。今や全国区の人気と知名度を誇る讃岐うどんは、麺のコシの強さが大きな特徴で魅力のひとつにもなっていますが、誰もが大好きというわけではありません。

東北の母直伝のうどんを夫がダメ出し

 香川県出身の夫と2年前に結婚した三枝史恵さん(仮名・32歳/販売員)も食事に出したうどんをダメ出しされ、新婚早々に夫婦ゲンカになったといいます。 「はじめてうどんを出したときのことですが、しばらくどんぶりをのぞき込むように見ていると思ったら、『汁が真っ黒じゃん。こんな汁じゃしょっぱそうで食べられないよ』って。付き合ってるころからたまに食事を作ってあげましたが、いつもは『美味しいよ』って誉めてくれていたから予想外のリアクションで驚きました」  しかも夫はうどんを一口すすると、大きな声で「麺やわっ!! 俺の知ってるうどんじゃないわ」と言うと、史恵さんの作ったうどんにはそれきり手をつけることはなかったそうです。 うどん夫「出したのは、東北の実家でよく食べていた、母が作ったうどんを再現したものだったんです。麺は稲庭うどんの乾麺で、つゆは醤油ベースの市販品。ウチではいつも具だくさんうどんだったので、山菜や鶏肉などを入れてたんですが、『具が多すぎ』と私の出したうどんがとにかく気に入らなかったみたいです。  最初は私も『ごめんね』って謝っていましたが、それでもしばらく文句を浴びせられました。けど、たかがうどんで何でここまで怒られなきゃいけないのかって思ったら腹が立ってきて、それから数日間は一言も口を利きませんでした」  このときは夫から「ごめん、言いすぎた」と謝ってきたそうですが、以来うどんを食事に出すことはなくなったとか。

同じうどんなのに母が作ったものは完食

「今は冷凍の讃岐うどんをストックしているので、食べたかったら自分でチンしてと言ってます。それにカレの職場の近くには讃岐うどんの有名チェーンがありますし、ランチで食べればいいんですよ。休日に夫に誘われ、2人で讃岐うどんを食べに行くこともあるけど、私はたまに食べる程度で十分。だから、最近は無理に誘ってくることもなくなりました」
三枝史恵さん(仮名・32歳/販売員)

三枝史恵さん(仮名・32歳/販売員)

 うどんに対して強いこだわりを持つ夫ですが、なぜかカップうどんは好きだそうです。  会社帰りにコンビニで買ってきては、夜食として深夜にひとりで食べている姿を目撃。気になって尋ねると、「カップうどんは別物。讃岐うどんとはまったく違う食べ物」と答えたといいます。 「なら私の作ったうどんも別の料理として認識すれば済む話だと思うんです。カレが小さい人間だなって思ったのは、東北の私の実家に2人で帰省した際、両親とご飯を食べたときのことです。  以前、カレにボロクソに言われたあのうどんと同じものが出され、母が『讃岐うどんじゃなくてごめんなさいね』って言うと、『いえ、このうどんもすごく美味しいですよ!』って完食したんです。その様子にビックリしちゃって、私に言ってることと全然違うやないかーい!って脳内でツッコんでました。ニヤニヤしながらカレのほうを見たら、ばつが悪そうな顔をしていましたけどね(笑)」
稲庭うどんは、秋田県名産の干しうどんで平たいのが特徴。(写真はイメージです)

稲庭うどんは、秋田県名産の干しうどんで平たいのが特徴。(写真はイメージです)

好みじゃなくても言い方があるはず

 味の好みが人それぞれなのは史恵さんも理解していますが、夫は料理を作った自分に対する敬意が一切なかったとバッサリ。 「普通に今度は讃岐うどんが食べたいって言ってくれたらそれで済んだ話だったんですけどね。同じ香川出身の友達に話したら『同郷人でもその態度はありえない!』って言ってたので、私にマウンティングしようとしたのかなって。まあ、どっちにしても同じことをまたやってきたら次は許さないですけどね(笑)」  妻の作る食事が夫の故郷や義母の料理と見た目も味付けも違うのは当然のこと。自分で料理をしないくせに「同じモノを作れ!」なんて求めないでほしいものです。 ―シリーズ「私が気になって仕方ない感覚や言動の違い」― <文/トシタカマサ イラスト/ただりえこ> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
トシタカマサ
ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。
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