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桂浜水族館のTwitterが尊い…「イケメン飼育員」8人を一挙紹介

「なんか変わるで、桂浜水族館」をモットーに改革

――ありがとうございます。ではTwitterで現在のような飼育員推しになった経緯を教えていただけますか? おとどちゃん:桂浜水族館は田舎の小さな水族館で、ここに来ないと見られないとても珍しいお魚がいるわけでもなければ、都会の綺麗で大きくて未来的な水族館とは違い、つぎはぎだらけで昭和感満載、その上お金もない。しばらくの間「暗い」「狭い」「古い」などの負のイメージが根付き、重ねて5年前に職員の一斉退職があったことから地元の方からの支持はありませんでした。 ――なんと……。かなり崖っぷちの状況だったのですね。 おとどちゃん:このままではいけないと「なんか変わるで、桂浜水族館」をモットーに改革を始め、現状のすべてを逆手にとったら一周回って新しいのではないか。こうしてマイナスをプラスに変えることに踏み切りました。  新しい飼育員が集まり、改革の一環として始めたSNS活用でした。しかし、他の施設と同じ情報発信をしていては当たり前に埋もれてしまう。差別化を図るにはどうすればいいかと考えたとき、他の施設ではスポットを当てていない「飼育員」という存在に着目しました。 ――動物の写真をアップしている動物園や水族館はたくさんありますもんね。 おとどちゃん:水族館や動物園での飼育員の立ち位置は展示飼育動物や魚の次で、普通なら影の存在ですからね。  でも、好きな人の好きなものって、興味がわきませんか。動物好きでない人でも、飼育員を好きになってもらえたら新しい形の水族館ファンができるのではないかと考えたんです。飼育員を入り口に、桂浜水族館や、そこにいる生きものに興味を向けてもらえるなら、きっかけはなんでもいいと思っています。  桂浜水族館では生きものも飼育員もみんな主役。お世話してあげている、お世話されているという関係ではなく、“共生”という意味で、ここでいっしょに生きていることを、その日々を発信することを決め、飼育員にもフォーカスを当てるようになりました。

飼育員目当てで県外から来館するゲストも

――お客さんからはどのような反応がありましたか? おとどちゃん:本格的に飼育員にフォーカスを当てだしてから3年ほど経ちますが、北は北海道から南は沖縄まで、全国の方々から『いつもTwitterを見ています。飼育員さんに会いに来ました』というお声をたくさんいただきます。『〇月〇日に遊びに行こうと思っているんですが、この日、〇〇さんはいますか?会いたいです!』と事前に連絡をくださる方も。 ――すごい、アイドルのようですね! おとどちゃん:プレゼントやお土産、差し入れ、お手紙などもいただき、中には好きな飼育員とツーショット写真を撮ったり、推し飼育員からサインをもらって帰ったりする方もいらっしゃいます。  ちなみに一部の飼育員にはTwitter上でファンクラブがあります。一般の方が発足し、アカウントを管理しているようです。

Twitterは休館後のほうが話題に

――今は休館中ですが、Twitterは頻繁に更新していますよね。休館前と比べて反応はどうですか? おとどちゃん:ネット上では、休館前より休館後のほうが反応が大きいです。やはり今の社会情勢や自粛ムードの中で、日々更新される悲しいニュースに精神的にも追い詰められ、長い自宅生活から心身ともにバランスを崩している方が多く、動物に癒しを求めている方も少なくありません。 「飼育員と動物」という水族館では当たり前のハッピーセットが皆さまの大きな癒しや、心の支えになっているようで「自粛解除されたら絶対に飼育員さんに会いに行く」「落ち着いたら桂浜水族館に行くことを楽しみにして今日も頑張る」などさまざまな声をいただいています。

決してひとりじゃない。桂浜水族館を拠りどころに

――確かに、リプ欄を見てみると動物たちにもイケメン飼育員にも癒されているという声がありましたね。最後に、フォロワーさんを含めて、全国の皆さんにメッセージをお願いします。 おとどちゃん:雨の日も風の日も、激しい台風の日も年中無休で営業してきた桂浜水族館も、戦後初の休館を余儀なくされました。当館にはいくつもの暗い歴史がありますが、絶対に負けない気持ちでどんな時もその苦しみを乗り越えてきました。  いつかこのことを笑って話せる日が必ずきます。自分を苦しめず、誰かを責めず、今できる最善を尽くしてみんなで乗り越えましょう。決してひとりじゃない。誰もひとりぼっちなんかじゃない。どうしてもうまく生きられない日は、桂浜水族館を拠り所にしてください。  私たちはここにいます。世界が夜明けを迎えたら、会いに来てください。あなたに会える日をスタッフ・スイゾク一同心よりお待ちしています! ◆◆◆◆◆◆◆  影の存在の価値に気づき、Twitterで発信しつづけ、ゲストを呼び寄せたのですね。過去の投稿をたどっていくと動物たちも飼育員も、いい写真ばかりで「眼福」「尊い」という言葉がぴったりなんですよね。 「いつかリアルで見てみたい!」と願うファンの気持ちがわかる気がします。新型コロナが収束したら、ぜひ桂浜水族館に足を運んでみてはいかがでしょうか? <取材・文/林加奈>
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