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コロナ対策、赤ちゃん用品で代用しないで!そもそも効果あるのか医師に聞く

身の回りの消毒にミルトンは不要。食器用洗剤を薄めたもので十分

 最後は、赤ちゃんの哺乳瓶や食器の消毒に使われる、ミルトンなどの次亜塩素酸ナトリウム消毒液。ウイルスの消毒に有効だと、アルコール消毒液と同様に次亜塩素酸ナトリウム系の消毒液も軒並み品切れになるなか、ちょっと価格のお高い赤ちゃん用の商品も品薄になっているのです。 ミルクを飲む赤ちゃん「次亜塩素酸ナトリウムは手指の消毒には安全ではないので、おそらく身の回りのものを消毒するために購入されているのでしょうが、大切なのは“消毒”よりも“身の回りのものを汚さないよう手指を清潔に保つこと”。なんでもかんでも消毒するより、作業ごとに手を洗うほうがよっぽど効果を見込めます」  さらに峰先生は、「そもそも一般家庭に消毒液はいらない」とも。 「家の中だったら、消毒するのは外出先から帰って手を洗うまでの間に触れてしまうドアノブと電気のスイッチなどだけでOK。やたらテーブルなども消毒する人がいますが、汚れた手で触っていなければ必要ないですよね? しかも、コロナなどのウイルスは外側を覆う脂質の膜が壊れると感染力を失うのですが、その膜は石けんや家庭用洗剤に含まれる界面活性剤でも壊すことができます。つまり、食器用洗剤を薄めたものでドアノブやスイッチを拭けば、家庭内のウイルス対策としては十分代用できるものなのです」 ドアノブ アルコールや次亜塩素酸ナトリウム溶液ばかりを血眼になって探す必要はないということですね。新型コロナウイルスの消毒に有効な家庭用洗剤については、女子SPA!で以前に紹介した記事「アルコール消毒液はなくてもいい。せっけん・洗剤でできるコロナ対策」「新型コロナウイルスとは?わかりやすいイラストが話題。自粛・手洗いの本当の意味」も参考に。

感染症予防で大事なのは「モノで防ぐ」ではなく「行動変容」

 日本中、世界中で奪い合うように購入されているモノたちが、必ずしもコロナ対策に必要なモノではないということがおわかりいただけたでしょうか? 今回のコロナ対策において、「みんなウイルスをモノで防ごうとしすぎている」と峰先生は指摘します。 母と子「感染症予防でもっとも大事なのは“行動変容”です。優先すべきは消毒液をやたらと使うことやマスクをうまく作ることではなく、『手を洗う習慣をつける』『触ったところを気にする』『手で顔に触れないようにする』『咳エチケットをしっかり守る』といった行動を変えていくこと。そして、そもそも論として外出を控えること。そうしなければウイルスとは戦えません。この基本をわかっていない人があまりに多いので、もっと広く認識してほしいですね」  誰もがウイルス対策の基本を理解し、いま必要な正しい行動をとることで、「買い占め」という他人を顧みない自分本位な行動が減っていくことを願います。 <取材・文/持丸千乃、イラスト/真船佳奈>
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