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ハケンの品格、ドクターXの脚本家・中園ミホ、占い師業を本格化?

まえがきには「シナリオ」というワードが出てきた

中園ミホ「占いで強運をつかむ 」マガジンハウス

中園ミホ「占いで強運をつかむ 」マガジンハウス

 どんな占い師も全人類がこれほどの災厄(コロナ禍)をかぶると占うことは難しかったであろう。こんなときこそ、中園先生のドラマのキャラのように自分の信念をしっかりもって、スーパー・ポジティブに考えるべきなのかもしれない。  そもそも占いは、なんらかの法則によって運勢を導きだしたあと、それをどう言語化するかも重要である。  いま、ネットで人気の占いは、優しくそっと希望をもたせてくれるような文章が好かれているものが多い。石井ゆかりやしいたけなど、良いことも悪いこともすてきな物語化してくれるような文章が愛される。  その点、中園ミホは脚本家。老若男女あらゆる人生を描いてきた人である。悪い時期を乗り越えて幸福を獲得する道筋を描くのは自家薬籠中であろう。本のまえがきの一文に「あなたがしあわせになる人生のシナリオを書くために、そっと背中を押すことができたら(後略)」とまさに「シナリオ」というワードが出てきた。

中園ミホ先生、やっぱり運を掴んでいる気がする

 なんといっても中園ミホ先生の占い、やっぱり凄いんじゃないかと思ったのは、せっかく13年ぶりに代表作「ハケンの品格」が新たに始まるときにコロナ禍で放送がなかなかできない(もうずっと近日公開になっている)状況において、昨年、占いサイトというサイドビジネス(?)を始め、今年、本を出し、それによって万が一、ドラマ制作状況が今までのようにまわっていかなくても、占い業があるという準備が事前にされていたことである。  占いの宣伝がドラマの宣伝にもなり、ドラマの宣伝が占いの宣伝にもなり補完しあえる。しかも、こんなときだから、つい未来を占ってもみたくなるヒトもいるのではないだろうか。  これは偶然なのか、それとも占った結果なのか。中園ミホ先生、やっぱり運を掴んでいる気がする。 <文/木俣冬> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
木俣冬
フリーライター。ドラマ、映画、演劇などエンタメ作品に関するルポルタージュ、インタビュー、レビューなどを執筆。ノベライズも手がける。『ネットと朝ドラ』『みんなの朝ドラ』など著書多数、蜷川幸雄『身体的物語論』の企画構成など。Twitter:@kamitonami
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