では、現地に住む日本人はこのブームをどう思っているのでしょう?
アメリカで長年、日本語を教えているメタル好きの女性(36)に話を聞いてみると、「私の場合、生徒さんたちから『烈子って知ってる?』と聞かれて初めてその存在を知りました。みんなメタル好きの子たちなので、『かわいくて面白い』と大興奮で教えてくれました」とのこと。
その後、コンビニに立ち寄った際、烈子グッズが陳列されていて驚いたといいます。
「アメリカのサンリオキャラで知名度があるのはハローキティのみだと思っていたので、セブンイレブンで烈子のグッズやお菓子が売られているのを見て、『本当に人気があるんだ!」とビックリしました」

米国Amazonでの烈子グッズ販売ページ(画像:Amazon,comより)
また、ブラジルで「アグレッシブ烈子」の人気が高い理由については、ブラジル出身の人気ヘビーメタルバンドの多さを指摘。同国でこのキャラクターが受けるのは当然としながらも、アニメ版が受けている理由をこう推測しました。
「以前、ブラジル出身の友人から、ブラジルは日系移民の方も多いし、お寿司屋さんも沢山あるし、日本のアニメを観てる人が大勢いると、聞いたことがあります。細かい日本文化が詰まったアニメへの理解力が、他の国より高かったのかもしれません」

(画像:株式会社サンリオ プレスリリースより)
一方、コロナ禍で、夫も子供も毎日家にいてストレスがたまっているという主婦(45)は、「アグレッシブ烈子」に救われていると話してくれました。
「烈子が私の代わりに毒吐いてくれているようで、観るたびに心が軽くなります。
この作品を紹介してくれたアメリカ人の友達は、ご主人が繊細な方で、すごく気を使って生活している人。表面では良い奥さんや社員を演じて、胸の内では毒をためている……。
人種を問わずそんな鬱憤のたまった大人の女性はたくさんいるし、だからこそ受けているんだと思います」
これを機会に、あなたも日本ではほとんど無名なサンリオキャラ、「アグレッシブ烈子」に注目してみませんか?
<文/橘エコ>
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Sources:「
Indie Wire」「
The Verge」
橘エコ
アメリカ在住のアラフォー。 出版社勤務を経て、2004年に渡米。ゴシップ情報やアメリカ現地の様子を定点観測してはその実情を発信中。