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マスクにスリッパ…日本人の評価がパリで爆上がり。81歳パリ在住の弓さんに聞く

靴を脱いで家に入る日本流が、パリでも広がっている

 パリの多くのアパルトマンでは、ほかにも新しい習慣が始まっているようです。 「欧米では、家の中でも靴を履いているのは、よく知られたこと。私自身は、帰宅したら玄関で靴を脱いで、家の中ではスリッパという生活をずっと続けてきました。どうやら、同じような人が出てきたみたいで……。我が家のアパルトマンでも、気が付けば各戸の前の廊下にはいろいろな靴がずらり。そこで脱いで、家の中ではスリッパや室内用の靴に履き替える習慣が定着しつつあるようです。  でも、さすがに、共有の廊下に私物が並ぶのは邪魔になりますし、見た目もよろしくないということで、なぜか家主組合の理事長のようになっている(笑)夫のクロードの呼びかけで、今はみなさん、脱いだ靴は家の中にしまうようになりました」
自宅リビングでテラスにつづく外の風景を眺めながらくつろぐ弓さん

自宅リビングでテラスにつづく外の風景を眺めながらくつろぐ弓さん

 さらに、日本人の静かなしゃべり方まで注目されているそう。 「ラテン民族のフランス人は、話すときの身振り手振りが大きくて、ハグや握手も日常のこと。口角泡を飛ばす議論も大好きで、盛んに行われます。それはそれで互いの気持ちがわかりやすいし、情熱的で明るくて、いいところもたくさんあります。けれども、会釈やおじぎ、物静かに話すという日本人の穏やかで礼儀正しい佇まいが、私の知人たちの間で注目されるようになってきたことは事実です」

元気の秘訣は、毎日の自転車マシーンとウォーキング

 81歳の弓さんと一つ年下の夫のクロードさんは、今、友人とのたまの食事会を楽しみながらも、注意深く生活しているようです。 「夫のクロードの日課、森歩きもやっと解禁に。森歩きに出かけるクロードに、私はいつもサンドイッチのお弁当を作ります。中身は日によっていろいろですが、今日はライ麦や雑穀がたくさん入ったパンに、おいしいジャンボン(ハム)とレタス、庭のルッコラをはさんで。デザートはりんごです」
サンドイッチ

夫・クロードさんのために弓さんが作ったサンドイッチ

 ちなみに、サンドイッチをおいしく作る弓さんのコツを聞くと――。 「パンはトースターで軽く焼いて、冷ましてから、2枚のパンの内側に有塩バターを塗って、具をはさみます。この冷ましてからバターを塗るのがミソ。パンが温かいと、バターが溶けてしみこんでしまいますが、冷ましてから塗ると、バターのかけらがつぶつぶと残ります。これが口の中でハムとマッチすると、とてもおいしいの!」
ミニジム

弓さんの元・仕事部屋は、今ではミニジムに

 運動量としては以前に比べて格段に少ないので、外出禁止中から続けている自転車マシーンでの足漕ぎ10分。加えて、自宅のテラスを20~30周歩くことや日本のラジオ体操は、今も続けているようです。  自宅のひと部屋をミニジムにして、弓さんの自転車マシーンと、クロードさんのボート漕ぎのようなマシーンが置かれています。毎朝使っているそう。  80代とは思えない元気さを、こうしてキープしているんですね。
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苦しいこと、悲しい気分の乗り越え方
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