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小池百合子都知事、おしゃれマスクも圧勝の一因?毎日コーデのアピール戦術

キャッチーな小道具としてのマスク

 選挙の前にテレビから流れてきた都知事選候補者の活動の様子を撮った映像のなかで小池百合子はカメラが回る前に口紅をぐいぐい塗っている表情が映し出されていた。こういう場面を見ると、5月29日の口紅し忘れだってパフォーマンスだったのかもしれない。口紅を塗って戦闘に臨むようなイメージ映像にしてしまうとは……(もしかしたら勝手に撮って使っているのかもしれないが)。  2005年の「クールビズ」、アスベスト問題に「スピーディ、シームレス(すき間なく)、セーフティな3Sの制度」で取り組んでいると発言したことが『女帝・小池百合子』に記されているが、「3密」「東京アラート」などのキャッチフレーズが先に立つことは15年経っても変わっていない。コロナ禍のマスクは偶然ながら小池百合子のいつもの戦法に意外とマッチしてしまったように思う。

百合子マスクのおしゃれ写真集をぜひ

 感染者の再増加に伴い、街頭演説はやめ、オンラインを活用した。第一声も「オンライン」と、「新しい日常での新しい選挙ができたのではないか」と語った。毎日おしゃれなマスクをしてモニターのなかに現れる小池百合子はやっぱり強い。女性の支持の高さも印象的だが、10代から70代まで全世代の支持率が高かった。  日々、目に入ってくる人物。しかもマスク姿という特殊性。街頭演説で生きたミニスカをオンラインのマスクに替えて、「何を言うかではなく、何を着るか、どんな髪型にするか。それが人の心を左右する」という世のならいを見事に利用して、自身を話題の中心にもっていくこと。瞬間瞬間、印象的なことを言ってその場を盛り上げる。それがことあるごとに成功しているのだからまったく運の強い人である。  そういえば「口紅忘れた」日は評伝の発売日であった。  まだまだ続くコロナ感染予防。小池百合子のマスクのおしゃれ写真集をぜひ出してほしい。 <文/木俣冬> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
木俣冬
フリーライター。ドラマ、映画、演劇などエンタメ作品に関するルポルタージュ、インタビュー、レビューなどを執筆。ノベライズも手がける。『ネットと朝ドラ』『みんなの朝ドラ』など著書多数、蜷川幸雄『身体的物語論』の企画構成など。Twitter:@kamitonami
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