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夢のタイ生活が、コロナで解雇に…行き場がなくなった女性たち

コロナ禍で漂流する居場所のない女性たち

 コロナ禍で10~20代の家出少女たちにも深刻な変化が生じている。家庭内暴力などで家に居場所のない少女からの相談が寄せられるNPO法人「BONDプロジェクト」の代表・橘ジュン氏は語る。 「4月以降、ステイホームでDVの被害状況が悪化したにもかかわらず、ネカフェや飲食店など彼女たちの逃げ場が営業を自粛。難民にすらなれない女性が増えました。行き場を失った少女たちは、SNS上で『死にたい』『家を出たい』といった心の声を発信するようになったのですが、これが搾取しようとする側の大人たちにとって都合がよかったのかもしれません」

家出少女たちに金銭搾取を目的で近づく例も

 体目的で近づいてくる男だけでなく、金銭搾取を目的とする例もあったという。
夜の街

※写真はイメージです

「これはコロナ禍以前からもあったのですが家出志望者に管理売春や、生活保護を受け取らせようとするパターンもありました。さらにそれを身分証代わりにして風俗店で働かせるケースも。こうした金銭がらみの場合は女性が声をかけてくることもあります。そのほか、SNS上を中心に高利でお金を貸しつけ、体の関係まで求める”ひととき融資”も後を絶ちません」  コロナ禍ではこうした悪質なケースを発見できても、すぐに解決できない例があったという。 「私たち自身が直接保護に行ければいいのですが、地方の場合は、通報先の機関も自粛で動員がかけられずリアクションが遅くなることも。一刻を争うケースも多いのに、歯がゆい思いをしたことも少なくありません。私たちも最近はネットパトロールを強化し、相談への対応も時間を延長していますが、まだまだ問題は山積み。ただ、今回のコロナ禍を機に、居場所がなかったり貧困に陥ったりしている女性に世間や行政の目がきちんと向き始めているのも確か。いま一度、これを機に、社会福祉が一層手厚くなるよう、私たち自身もより積極的に動いていきたいです」
橘ジュン氏

橘ジュン氏

【橘ジュン氏】 NPO法人「BONDプロジェクト」代表。街頭パトロールやメールなどで少女たちの悩みを聞き、自立を支援している ―「コロナ貧困女性」号泣ルポ― <取材・文/週刊SPA!編集部>
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