あなたは、付き合っていた時も、結婚した今も、自分の体は自分のもので、どのように扱うかは自分の自由であり、何か嫌なことをされたり、扱われ方をしたら嫌と拒否する権利があると思っているでしょう。
一方彼は、付き合ってセックスもしたということは、あなたの体も心も自分のものになったんだと考えています。だから触り放題なんだと。
彼が、痴漢のように見ず知らずの人の胸を触ることはせず、彼女であり妻であるあなたの胸だけを触ってくるのは、その胸が自分のものだと思い込んでいるからです。
あなたからすれば、知らず知らずのうちに自分の胸の所有権、独占権、優先権が彼に移行してしまっているので、胸くそが悪い状態です。
あなたが不快に思うこの状態ですが、この関係を幸せだとかラブラブ状態だと感じる人も多くいます。それをあなたは知っているから、のろけではありませんと説明しているんですよね。
その方達は「
私はあなたのものよ、好きにして」「
俺のものになってくれ、幸せにする」みたいに所有権の移行を詩的に表現します。なぜなら、所有権の移行、その主張こそが愛の証だと勘違いしているからです。
確かに、体と心の所有権、独占権、優先権の移行があると、相手と特定の関係が築けている実感が得られやすいです。
しかしそれは、愛という名で隠された支配関係ですから、意志や感情がある人間は必ず窮屈になっていきます。
でも、支配する側もされる側も楽なのでそれを良しとしてしまいがちです。自分で物事を考えないで済んだり、相手の気持ちと本気で向き合わないので心が揺さぶられることが少ないです。
相手と関係が固定されたら、その関係性に則って立場をわきまえた振る舞いをすれば2人の関係は安定します。
少し前の典型的家族モデルである、亭主関白の夫と、男を立てることをを生きがいとする専業主婦の夫婦がそうです。それぞれの立場を守りさえすれば幸せでいられるんだと思い込んでいます。
でもそこには、本当の意味での幸せはありません。立場を全うすることは幸せではなく、成功や達成と言います。