どう考えても酷いシステムなのですが恋(?)は盲目とはまさにこのこと。佐川さんはどうしてもランクを下げたくなくて、彼に乞われるがままにあんなコトやこんなコトを許し、ちょっぴり変わったプレイにも喜んで応じていたとか。
「私のランキングは、だいたい2番目か3番目をウロウロする感じ。たまーに1番に呼ばれた時なんかは、謎の達成感もあって幸せの絶頂って感じでしたね。でも次の時にはまたランクが下がったりしたら『私の何が悪かったんだろう』なんて自問自答……その繰り返しでした」
しかし、そんな関係など長く続けばやはりどこかでほころびが生じてしまうもの。佐川さんは精神的なストレスからなのか体調を崩しがちになり、周囲の友達からも「もうそんな男とは切れた方がいいんじゃない?」などと進言されるようになりました。
「それでも、かたくなに『あの人じゃなきゃダメだから』なんて言ってたんですけどね。ある日友達から『そんなわけのわかんないランキングを維持してて、本当になにか良いことがあるの?』と真顔で言われてハッとしました」

佐川さん、友達の言葉によくよく考えてみたそうです。そこで気づいた事実で、佐川さんはすっかり目が覚めてしまいました。
「『そういえば、ランキング1位になっても他の女がまだ使ってないまっさらな状態の風呂場を使うことくらいしか利点がないのでは……』
って思ったら、私は何のために必死になってたんだろうって全てがばかばかしくなっちゃったんですよね。その場で連絡先を消して、あっという間に切り捨ててしまいました」
5股男を手放した途端、佐川さんはみるみるうちに元気になり、表情が明るくなったせいかモテだすように。その後、しっかりと素敵な彼氏を見つけて今はラブラブ同棲中。幸せの絶頂だとか。本当に別れて良かったですね。
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私が「手放して」よかったもの―
<文/もちづき千代子 イラスト/ただりえこ>
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フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:
@kyan__tama