シンディちゃんが亡くなった今でも2匹の絆は変わらない
「同種族だと、自分の体を大きく見せて威嚇するとよく聞きますが、種族が違うとそれはあまり関係ないのかもしれないと思いました。大型犬と猫では、体の大きさに圧倒的な差があります。でも、シンディはマロンの勇敢な姿勢や自分に対する優しさを感じとって信頼し、関係を築いていました。種族が異なることで比べる基準がなくなり、彼らなりに『内面を重視』していたように見えました」
劣悪な環境で飼育放棄され、愛されることを諦めていたシンディちゃんにとって、ありのままの自分を無条件に受け入れてくれたマロンくんの存在は、かけがえのないものであったはず。汚いプレハブ小屋で人知れずに亡くなるのではなく、家族に見守られ、かわいがられながら最期を迎えられたことも、絶望の中で生きてきたシンディちゃんにとっては大きな意味があったように思います。
「シンディを散歩していたときによく、子どもたちから『シロクマ』だと言われたので、似ているのかなと思い、マロンにシロクマの映像を見せたら、異常な食いつきを見せました。だから、今でもたまにシロクマの映像を一緒に見て、シンディを想っています」
同種族の中では心を許せる相手がなかなか見つけられなかったマロンくん。そんな彼が見つけたのは「犬」というかけがえのない心友だったようです。
<文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:
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