さらに、SNSでも子を持つ母親たちから、ボタンの位置や人形が出す声がいかに不適切であるかを示す動画がいくつも投稿され、発売元のハズブロに批難の声が集まりました。
ある母親は、「世界中で児童の人身売買やチャイルドグルーミング(児童虐待を目的に子どもに取り入ること)が問題になっている中、これはシェアするべきだと思った」と語り、トロール人形の詳細が分かる動画を投稿。
「お腹を押すと歌ったりして、はじめは可愛い人形だと思いました。でも、人形を夫に見せたとき聞いたことのない声がして……。それでもうひとつのボタンの存在に気づいたんです。
彼女のプライベートな部分に触れると声がします。私にとっては性的で、嫌な気分にさせられる音です」
この動画が国会議員のツイッターアカウントなどでも拡散され、前述した署名活動とともにトロール人形の販売中止・回収の動きを後押しすることに。コメント欄には、「こんな玩具を発売するなんて恥を知れ」「あなたの娘に買い与えないでください」などとネガティブな意見が集まりました。
実は、商品のパッケージには、座らせると音が出る仕様についても明記されていましたが、この母親の動画内では「どこにも書かれていない」と言われているため、インスタグラム上では「一部虚偽の情報」であるとされる警告が表示されています。
しかし、発売元のハズブロは、たとえパッケージに説明を掲載していたとしても、センサーボタンの位置が適切でないと感じさせてしまったことは理解できるとして、商品の回収を発表。8月5日、地元『プロビデンスジャーナル Providence Journal』に釈明文を掲載しました。
「本機能は人形を座らせた際に反応するよう設計されたものでした。私たちは決してこのような騒動を望んでいません。購入されたお客様には、同様のポピー(トロール)人形を代替品としてお送りさせていただき、また、本商品は店頭からは回収いたします」
この時点でメーカー側はまだ商品回収の準備中だったようですが、大多数の店舗がSNSなどで話題になったと同時に、自主的に問題のトロール人形を撤去してしまったそうです。
Sources:「
CNN」「
Providence Journal」
<文/橘エコ>
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アメリカ在住のアラフォー。 出版社勤務を経て、2004年に渡米。ゴシップ情報やアメリカ現地の様子を定点観測してはその実情を発信中。