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夫に裏切られ…絶望から救ってくれた、亡き愛猫・虎之助に教わったこと

虎之助くんの最期…「生きることを教えてくれた」

 しかし、別れは突然やってきました。虎之助くんが13歳になったころ、心音が早くなったことに気づいたみとらさんは病院へ。2度の診察を経て判明したのは、「甲状腺機能亢進症」であるという事実。一時は強制給餌が必要なほどでしたが、治療食や薬のおかげで自力で食べられるまでに快復したのです。  ところが、それからしばらくしたある日の夜、虎之助くんに異変が起きました。 「寝ている部屋に虎之助が来て鳴いていました。おやつかなと思い、差し出しましたが食べなくて。撫でると、私の顔をじっと見て鳴き、ベッドへ戻っていきました」  その後、虎之助くんの体調は急変。みとらさんは心臓マッサージや人工呼吸をしながらタクシーで夜間病院へ向かいました。 「本当は気づいていました。病院へ向かう途中で、スっと最期の自発呼吸が出たこと。でも、病院に着くまで心臓マッサージや人工呼吸をやめることはできませんでした」  愛猫の死という現実を受け止められたのは、獣医師から「人工的にしか呼吸できないよ。もう楽にさせてあげましょう」と言われたときでした。

新しい愛猫への想い

「もし、今、何か伝えられるとしたら、一緒にいてくれてありがとうって言いたい。虎ちゃんにはいろんなことを教えてもらいました。特に、“生きること”を学んだ。ずっと大好きです」  時間をかけ、虎之助くんを失った悲しみを癒したみとらさんはその後、茶白の琥吉(たまき)くんを迎えました。
新しくお迎えした琥吉(たまき)くん

新しくお迎えした琥吉(たまき)くん

 さらに、1か月後にもともと決まっていた引越し先で兄弟だけ保護され、ひとりぼっちになっていたさくらちゃんを保護しました。 「私が猫と暮らせるのは、きっとこれが最後だと思い、殺処分対象だった赤ちゃんの琥吉の里親になったんです。強く生きてほしいという思いから、虎之助から“虎”の字を貰いました。さくらは虎之助と似たグリーンの瞳をしていて、琥吉に社会性を教えてくれました。」
さくらちゃん

さくらちゃん

 新しい愛猫と亡き家族の両方を愛し続ける、みとらさん。その深い猫愛はきっと、天国の虎之助くんにも届いているはず。みとらさんの心の根っこには今もなお、虎之助くんからもらった「強さ」があります。 toranosuke<文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
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