ショックを受けたゆこさんは、友人から腫瘍診断医1級を持つ獣医師がいる病院を教えてもらい、セカンドオピニオンを受けることに。
「そこで、腫瘍は悪性ではなさそうだから複数あるシャントをちゃんとした医師に診てもらうよう勧められ、病院を紹介していただきました」
すると、サードオピニオンとなった紹介先の病院で信頼できる肝臓専門医に出会え、開腹検査をすることに。
「もしできるようなら検査時に手術も行うといってくださったので、1歳になるのを待ちました。肝臓に負担をかけないよう、去勢手術やワクチン接種はできませんでした」

費用が高額だったため、ゆこさんはクラウドファンディングで支援を募ることに。多くの支援が集まり、周囲の人の温かさに触れ、孤独な闘病生活を頑張ることができました。
長い道のりを経て受けた開腹検査。そこで判明したのは、あるくくんの病気がとても珍しいものであるということ。
「多数の門脈シャントだけでなく、大動脈へのシャントができてしまう肝動脈門脈ろうという病気でもありました。極めてまれな複合型症例であったため、奇跡的に血液の流れのバランスがとれ、生きられていたのだそうです」

また、腫瘍だと思われていたものは肝臓の表面にできていたキノコのような物体であることが分かったそう。
「執刀医も初めて診るものだったらしく、詳しい先生に検査していただいたら、肝臓自体が生き残るために新しい肝臓を作っていたそうで……。今も増え続けていると思われます。1歳まで生きられているのが不思議。亡くなったときは研究のために肝臓の提供をお願いしたいとも言われました」