Lifestyle

「膣に塗るクリームで生理痛が改善」!?トンデモな噂を皮膚科医が斬る

女性ホルモンを補うことがあるケースとは

 ただ、閉経が訪れた女性についてはその限りではないそうです。
銀座ケイスキンクリニック院長・慶田朋子先生

銀座ケイスキンクリニック院長・慶田朋子先生

「女性の体は膣を通って内臓に細菌などが入りやすい構造になっているので、粘液でガードしながら清潔を保っているのですが、閉経後はホルモンが出なくなって、膣粘膜が萎縮(いしゅく)し、膣の粘液量も減っていきます。膣の中の粘膜が乾きやすくなることで炎症を起こして出血したり、痛みや性交痛を伴ったり、する萎縮性膣炎を起こすことがあります。粘液が不足すると細菌に感染しやすくなり、臭いがキツくなることもあります」  そのような場合には、女性ホルモンを人工的に補って、ホルモンバランスを整えることが必要なのだそうです。「女性ホルモンを補填して肌がきれいになったというのは、閉経を迎えた女性が、閉経前に近いホルモン量に戻ったことによる効果だと思います。女性ホルモンが足りている若い女性ではありえないでしょう」

経皮吸収をめぐるトンデモ科学にメス

お風呂 経皮吸収をめぐっては、女性ホルモンの補填以外にも、「デリケートゾーンをケアすることで膣が柔らかく温められた状態になり、生理痛や尿漏れが改善される」「生理用ナプキンの有害物質が吸収される」といったうわさもあります。  これらに関して慶田先生は「デリケートゾーンは、お風呂できれいに洗うくらいで、特別なケアをする必要はありません。どうしてもケアしたいのであれば、いろいろな成分の入っていないシンプルなオイルで保湿するくらいで十分でしょう。ただし、あくまで膣口より外側に限ります。膣の中は、医師の指示がない限り、洗ったり、何かを塗ったりしてはいけません。それに、膣内をはじめ、体内は常に37度に保たれているので、デリケートゾーンの皮膚をケアして膣内が温められるといったこともありません」とバッサリ。
次のページ 
生理用ナプキンのおかしなうわさ
1
2
3
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ