――佳子さんも松雪さんも、とても素敵な大人の女性です。20代のときの自分が想像していた40代よりも、実際に40代になってみて、いい意味で違っていたことは?

『甘いお酒でうがい』より
松雪「どんどん自由度が増していっている気がしますね。こうあるべきという概念にとらわれなくなっている。極めて穏やかな感覚です。こういう風に変化するんだなと。20代のときのほうがもっと必死でした。きっと、『何かでいなきゃいけない、何者かでいつづけなきゃいけない』と自分を縛り付けていた。そこから、特に『何者でもないです』と言えるようになれたというか。とてもフラットですし、より人生を楽しめるようになっています」
――『今、いちばん まっすぐ立ててる気がする。』という言葉も、印象的であったと同時に、自然に入ってきたのでしょうか。
松雪「そうですね。とてもしっくり来ました」

『甘いお酒でうがい』より
――佳子さんは後ろ向きといいつつ、二回り年下の岡本くん(清水尋也)と恋愛をします。すごいなと。松雪さん的にはいかがですか?
松雪「いいなあ、佳子さんって(笑)。ちゃんと成立するのがすごいと思いました。ただ年齢差があっても全然ありだと思いますよ。自分自身はどうかと言われると、息子がいるので想像がつきませんが(苦笑)。ステキなことだとは思います。
佳子さんは、恋愛には意外と大胆で、振り切っちゃえる部分もあるので、そういう部分がさらに人間臭くて、興味深くて面白かったです」
――佳子さんの家の中もステキでした。松雪さんご自身の部屋はどんな感じですか?
松雪「すごくシンプルです。極力モノを置かない。余分なモノはどんどん捨てます」