――それでもこれはずっと捨てられずにいるというモノはありますか?

『甘いお酒でうがい』より
松雪「息子が生まれたときに最初に寝かせたバスタオルは、いまだに置いてあります。華やかなガラのバスタオル。持っているだけじゃなくて、ときどき使っているので穴が空いちゃってるんですけど(笑)、なんだか捨てられなくて」
――息子さんはご存じなんでしょうか。
松雪「そのバスタオルに包まれて寝ている写真があるんです。この間、ちょうど見ていて、『あれ、そういえばこのタオルって』という話をしました」
――それは捨てられませんね。最後にひと言お願いします。
松雪「私は、この物語のなかで女性同士の友人関係のくだりがとても好きです。年下の同僚の若林ちゃん(黒木華)が出てきますが、こんな人が職場にいてくれたらと温かい気持ちになってもらえるんじゃないかと思います。佳子さんはとても多面的で複雑で面白い人です。そんな彼女の日常をのぞき見するような感覚で、楽しんでいただけたらと思います」
(C) 2019 吉本興業
<文・写真/望月ふみ>
望月ふみ
70年代生まれのライター。ケーブルテレビガイド誌の編集を経てフリーランスに。映画系を軸にエンタメネタを執筆。現在はインタビューを中心に活動中。
@mochi_fumi