
ひまわりちゃん
たらぴょんさんが病院に連れて行くと、猫は車にははねられていなかったものの重度の脱水症状であり、右手が生まれつきか生後間もなく折れ曲がっていたことが判明。その日の夜が山場だと言われましたが、無事に乗り越え、家族の一員になったのです。
瀕死状態だった猫は「ひまわり」というかわいらしい名前をもらいました。
「金目で鍵尻尾を持つ猫は幸運を呼ぶと言われていますが、ひまわりは、ほぼ死にかけている自分を助けてもらえることに幸運を使い切ったんだろうねと、いつも家族で笑い合っています。出会うのがあと5分遅ければ、きっとひまわりとの時間は持てなかった。あの子は0.01%の確率を自力でものにしたんだと思います」
家に迎えた当初、ひまわりちゃんは水分さえ自力で取れない状態だったため、たらぴょんさんは別室に完全隔離し、3時間おきに給水するなど、つきっきりで看病。その一方で、はなちゃんが拗ねたり寂しい思いをしたりしないようにも配慮しました。
たらぴょんさんは、もし2匹が慣れなかったら、ひまわりちゃんの里親探しをしようと考えていましたが、はなちゃんは5日目くらいからタオルがかけてあるケージを外側からそっと観察し始めるように。現在、2匹はつかず離れずの距離感を保っています。

ほどよい距離感をたもつ2匹
「正直、猫団子するほどの仲良しではないですが、たまにお尻をくっつけて寝ていますし、ご飯の取り合いもしません。トイレも同じものを使ってくれています。女同士、いいときはいいけど、悪いときは……という感じですかね(笑)」
ひまわりちゃんを迎えたことは、たらぴょんさんにとって、予想外のできごと。しかし、それにより、これまで知らなかったはなちゃんの姿を目の当たりにでき、嬉しさも感じたそう。

ひまわりちゃんを迎え、はなちゃんの新たな一面を知ることに
「はなは優しく、おっとりしてて気の弱い猫だと思っていましたが、ひまわりをドヤ顔で追いかけ、やられたらやり返しているところを見て、意外に気が強いのでは……と知りました。見えなかったところに気づかせてもらえて、良かったなと思っています」
また、2匹との出会いにより、サビ猫へ対する印象が激変したそうです。
「はなと出会う以前は、ネットで写真写りがあまりよくないサビ猫を見て、正直、かわいくないなと思っていました。だから、旦那から電話を貰ったときは、かわいくないだろうけれど猫なら何でもいいやという想いでした」
しかし、一緒に暮らしてみると、一度怒っただけで理解する賢さや温厚さに魅了され、サビ猫のトリコに。今では、特徴的な被毛もオンリーワンな美しさだと思うようになりました。

たらぴょんさんをサビ猫マニアにした2匹
もし、次に猫を飼うとしたら、やはりサビ猫がいい。そう語るたらぴょんさんは、すっかりサビ猫マニアに。どこかでひっそり死んでいたかもしれなかった2匹はたらぴょんさんにとって、1日でも長く生き続けてほしい家族です。
<文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:
@yunc24291