その日をきっかけに、年下の彼と定期的に会うようになりました。
「彼の一人暮らしの部屋で会ったりするようになりました。デザイナーなだけあって、映画やアートに造詣が深くて、一気に好きになっちゃったんです。でもよく聞いてみたら、彼も飲み歩くのが好きで、私とゴールデン街に行ったのが初めてではなかったみたいなんです」
初めて二人で会ったとき「やましいことはないから」と、馴染みの店に連れて行ったことを後悔した沙織さん。さらに話を聞いてみると……。
「彼は店名を出さなかったのですが、どうも彼が行きつけの店は私が昔アルバイトしていていたゴールデン街のバーみたいだったんです。しかもよく聞いてみたら、昔付き合っていた彼女も私が行ったことのあるバーの子でした」
似た者同士が惹かれあったとも言えますが、身近なところで不倫はバレる危険性が高まると言えます。
「彼が席を外した時に、スマホをのぞき見してみたんです。すると、驚いたことに、私と親しい間柄の飲み仲間の女性からのメッセでした。『私のことが気になっていた』というのも、彼の好みが“ゴールデン街にいそうな感じの子”だったんでしょうね……」
夫にバレてしまう不安を募らせた沙織さん。年下男性とは、コロナ禍で思うように会えなかったこともあり自然消滅したそうです。
「彼女がいないと言っていた彼が、私の知人を口説いていたのにはショックでした……。なんだかすっきりしない気分でしたね。コロナの影響で、夫もリモートワークとなって、夫婦仲が復活してきたんです。しばらくは飲みも自粛なので、おとなしくしようと思っています」
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不倫デートの悲喜こもごも―
<取材・文/阿佐ヶ谷蘭子>