「彼女は『えっ……』って表情で、しばらく固まっていました。別れ話であることをあらためて説明すると、明らかに納得していないという様子でしたが、とりあえず交際をこれ以上続ける意思がないことを伝えました。
ところが、彼女は『そう言えば私が動揺するとでも思ったの!』と私の日頃の態度や言動を猛批判してきたんです。きっとこっちが本気で別れるつもりがないとタカをくくっていたのでしょう。だから、こちらからもなぜ別れようと思ったのかも含め、言いたかったことをすべてぶちまけてやることにしたんです」
彼女が割り勘に神経質すぎたのはあくまで氷山の一角。別れたのはそれだけが原因ではなかったそうです。
「プライドが人一倍高いうえに自己主張がやたら強く、こちらの意見を聞き入れようとしなかったんです。簡単に折れてしまい、彼女の意見をいつも受け入れてしまった私にも責任がありますが、これでは今後何十年も夫婦として一緒にやっていくのは無理だなって。
それでも最初は話し合えば彼女も理解してくれると思って努力はしたのですがやっぱりダメで……。そのうち自分の中で彼女に対する愛情が薄れていくのがハッキリとわかりました」

写真はイメージです
彼女からは最後まで謝罪の言葉もなく、あっさりと別れることができたとか。猛批判しただけあって、彼女サイドも彼氏への不満があったのでしょうし、愛情は薄れていたのかもしれませんね。
彼女からすれば、言いたいことを言っただけで「プライドが高い」と思われるのは、「そっちの器が小さすぎ」と感じているかも。
ちなみに彼女は周囲の友人には「自分から別れを切り出した」と事実とは真逆のことを言っていたそうです。
「恋人に愛想尽かされてフラれたなんて彼女のプライドが許さなかったのでしょう。それでも親しい共通の友人は彼女の性格も知っており、こちらが本当の理由を話したら『そんなことだと思った。前にも同じような理由で失敗してるから』って。
それを教訓にしてくれたら上手くやっていけたかもしれなかったのに……。今さらですけどね」
ちなみに彼が友人から聞いた話によると、彼女は鈴原さんと別れた後、数人の男性と交際したそうですがいずれも短期間で破局。プライドの高さは相変わらずで、最近は親しかった友達からも少し距離を置かれているそうです。
プライドのせいで掴みかけた幸せを自ら逃してしまったのか、それとも相性があわない男性と無理に結婚しないほうが幸せなのか。いずれにせよ自分で決めた人生なので、まわりがとやかく言うのは余計なお世話というものでしょう。
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わたしの恋とマネー体験談―
<文/トシタカマサ イラスト/zzz>
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ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。