相談所は会員が入会すると、連盟のデータベースに写真やプロフィールを登録します。自社の会員が他の相談所の方とも出会えるようにするためです。独身証明書、大学の卒業証書、源泉徴収票といった公的書類を提出し、喫煙状態や婚歴も自己申告します。場合によっては病歴や宗教などのセンシティブな個人情報も含まれます。
「仲人になって一番驚いたのは、通常はメールでやり取りする個人情報を、ファックスや郵送で送れと言われたことです。
私の会員が、ある相手にWEB経由でお見合い申込んだんです。すると相手の仲人から電話がかかってきて『その方の身上書(婚活用プロフィール)ファックスで送って』と。仲人同士は普段メールで連絡するので、電話なんてかなり稀(まれ)です。インターネットに慣れていないのか、会員情報を冊子にしたものを郵送してもらっているおばあちゃん仲人もいるみたいです」
「え!ネット上でプロフィールは見れるはずですよね。なのにファックスとは……。その方、おいくつなんでしょうか?」
「うちの会員情報は全部ネットに掲載しています。相手の仲人は80代ぐらいでしょうかね。パソコンが使えない人の代わりに、新規会員の情報を連盟本部が入力することもあるようですよ。そんな状況なので、40代ですけれど私はまだ若手です」
Wi-Fi環境が整っていないことで驚きましたが、林さんはマシな方なのかもしれません。
上には上がいますが、林さんの相談所はどうでしょう。会員数を聞いてみたら……。
「初年度は1~2人程度でした。お恥ずかしい話ですが、開業してから
4年間で累計で12人です」
「え!累計で!? それでは食べていけないですよね?」
「夫の扶養内でやってます。そういう仲人や、
副業としての人、年金暮らしの傍らでやっている人も多いです。相談所の売り上げだけで生活している所は、常時40人ほど会員がいますね。会社組織でやっていると、数百人いるところもありますけど」
累計12人ということも驚きましたが、量より質という場合も……。相談所のゴール、成婚者の人数が気になります。
「成婚者は何人いらっしゃるのでしょうか?」
「それが
0人なんですよ。私はアプリで活動している方はそちらの相談も乗るんですが、2人ほどアプリで出会った方と結婚しました」
「そうなんですね。でも、マッチングアプリと並行して活動もできるとHPには書いていないですよね?」
「あ、書いてなかったかな。会員の皆様には何でも聞いてくださいって言っているので」
初対面の仲人に質問できない方だって多いのだから、しっかりと記載した方がいいと思いますが……。