海虎ちゃんを迎えたことで春凪さんは、猫を保護することの意味を深く考えるようにもなりました。

こう見えて、実は人見知り
実は海虎ちゃんは家族以外には人見知りで、他猫のこともあまり好きではありません。先住猫のうぅちゃんとは幸いにもすぐに打ち解けてくれたものの、一度、子猫を保護した時には鳴きすぎて声がかすれてしまうほど。餌も水も摂らず隠れながら唸っていたため、お迎えを断念したことがありました。
「我が家で飼おうと思って保護したけれど、完全に拒否。先住猫を優先すべきだと思ったので、子猫は幸せにしてくれる里親さんに託しました」
この一件以来、春凪さんは“
猫が本当に幸せになれる保護”をしようと考えるように。
「保護したら、暖かい寝床はあるし毎日ご飯に困ることもないけれど、もし親兄弟がいる場合は急に引き離すのはどうなのかなとも思ったりします。
ヒトのエゴとか、何が正解か、とかを考えるようにもなりました」

海虎(かいと)ちゃん
もちろん、命の危険があるのならば保護したいし、猫は産まれるところが選べないからこそ、縁があった子は最期を迎えるまで、のんびり健康に過ごしてほしい。だからこそ、手を出す時は自分自身で最後まで幸せに出来る・責任を取れるか考えなければならない。そんな春凪さんの言葉は、猫という動物をどう見守っていけばいいのか考えるきっかけになります。
保護猫文化が根付き始めた今こそ、私たちはひとつの命と、もっと真摯に向き合う必要があります。看取る責任をしっかりと全うすること。それは私たち飼い主にしかできない、一番の猫孝行です。
<取材・文/愛玩動物飼養管理士・古川諭香>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:
@yunc24291