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『恋する母たち』の仲里依紗に共感。孤独な妻が熱心に口説かれたら

いつも夫への不満と孤独を抱えて

 役に立たないくせに文句だけは言う、すべての責任は妻に押しつける。さらに自分のことさえ満足にできない。ミサトさんは厳しい口調でそう言う。いつも家庭をきちんと運営したいと心を砕いているのに、上の娘はともかく下の息子は思うように成長してくれない。夫は自分のことさえできない。ミサトさんは常にイライラを抱え、孤独だ、誰かに頼りたいと思っていた。  そこへ恋が忍び込んだのだ。 デート「彼は高校の同級生です。久々の同窓会があり、ちょうど実家に帰る時期と重なったので参加したのが一昨年の夏でした。当時好きだった人と再会して盛り上がって……。彼も仕事は東京だというので、じゃあ、今度は東京で会おうねと」  元同級生は、ふたりきりで会うにもハードルが低い。たとえ誰かに見られても「友だちだから」ですんでしまう。そして、実際、彼女は彼を「昔好きだった人。今は友だち」としか認識していなかった。

会うたびに口説かれたが、恋愛感情は封印

 ところが実際に会うと、彼は「ミサトって昔より今のほうがずっといい女になっていると思うよ」と全力で褒めてくれた。ミサトさんにとって、褒められたり女性として認めてもらったりするのは久しぶりのことだった。 「恥ずかしいけどうれしい。そうだ、私は女なのよねと自分でも再認識しました。それまでずっと、妻、母という役割だけで生きていたから口説く うれしかったが恋愛感情をもつには至らなかった。いや、恋愛感情をもってはいけないと自分を封印していたのだ。 「うちはシッターさんを雇うお金なんてないので、彼に会うのはもっぱら昼間でした。最初はお茶だけ、それがランチになって。次はカラオケ。ボックスでキスしたときは息が止まりそうでした。これ以上はいけない。そう思って1ヶ月ほど彼からのメッセージも無視していたんです」  そうすることで、逆に彼への自身の気持ちに気づいてしまったという。彼がいるから、なんとか日常生活をがんばることができていたのだということも。
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彼なしでは生きていけないと思った
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