ジャニーズWEST・小瀧望が「エレファント・マン」を熱演、進化が止まらない
<ジャニヲタ歴20年・みきーるのJ-ウォッチ>
ジャニーズWESTの小瀧望さんが、役者としてさらなる成長を遂げています。小瀧さんは現在、舞台「エレファント・マン THE ELEPHANT MAN」に主演中。異形の容姿に天使の心を宿した青年=ジョン・メリックを演じています。
同作は実話をもとにした作品で、その姿からエレファント・マン(象男)として見世物にされていたメリックが、人のやさしさとおぞましさに触れながら「(普通の)人間らしく生きたい」という思いを募らせていく物語です。
“普通と異なるメリックの姿をどう表すか?”が、最初の関門。
美貌弱者という絶望を負い、回復したはずの人としての関係も、実はやはり容貌マウンティングを隠した見せかけだったこと。
誰もが心の醜さと清らかさを終始問いかけられ、ただひとりメリックのそれだけが、揺るがずに美しい。――その切なさを抱いた姿をどう見せるか?
劇中でも「どうせ作りものだろう」と揶揄されていますが、絵の具や紙粘土で“醜さ”を表したのなら、がっかりはせずとも“そうなったのか”という淡々とした感想をもったはず。
しかし小瀧さんはメイクや特殊技術の力を借りず、その壮絶な表現力のみでエレファント・マン=ジョン・メリックの哀しい姿を我が身に描いてみせました。
184㎝の長身と端正な顔立ち。よく通る朗々とした声。役者として大いなる武器であるそれらを封じ、重たげな頭部、傾いだ姿勢、引きつれて歪んだ唇、くぐもった声のメリックを“演じる”のではなく、小瀧望という核から芽吹かせ、生やし、“同化”したとしか思えない凄まじい業(わざ)。彼本来の美しい姿は、そのままメリックの聖なる心とも見てとれます。
芸達者な人はあまたいる。けれど、魂と引き換えに誰かの重すぎる生を引き受け、同化できる役者はそうはいません。芯と覚悟が強くなければ、役に呑まれてしまうから。
小瀧さんは役に自らを喰わせ、しっかりと抱きしめ、リスペクトとともに一体となれる類まれな役者なのだと思います。
どんな物語?
特殊メイクはなし、身一つで挑む
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