
「新しくハマったのは、ゲーム実況です。ゲームをプレイしながら、配信者がいろいろなコメントをしている動画配信ですね。実況動画を見ると、こんな楽しみ方もあるんだなと、よりゲームを楽しむ方法を見つけることができるようになりました。単純に、動画自体を見ていて楽しかったですし。
それからは、食事も睡眠もろくにとらずに、ゲームとゲーム実況にひたすら依存するようになりました。そのうち、自分でもゲーム実況がやりたくなったので、数十万円もかけて機材を取り揃えて、配信するようになったんです。
でも、毎日のように数時間の動画を配信しても、再生回数はよくて数十回。チャンネル登録人数は、昔からの友人たちに登録してもらうように頼んでも、十人ちょっとなんです。自分なりに面白い動画を配信するように工夫しているんですが……才能がないんでしょうかね」
そう言って、彩花さんは自虐的に笑います。

「ただ、別に、大勢の人に見てもらいたいというわけではないんです。
ゲームをしていると、ついつい独り言が出てくるので、それをついでに配信しているという感覚なので。私からしてみれば、数時間、自分の独り言に付き合ってもらっているようなものですね。元々、喋りが得意ではないので、無言になってしまうときもありますし。
それに、私が好きなゲームのジャンルはメジャーではないですしね。ギャルゲーってわかりますか? 簡単に言うと、女の子のキャラクターを恋愛対象として攻略するゲームです。『ときめきメモリアル』とかが有名で、ときメモは主人公のパラメーターを上げるだけでも楽しく、キャラクターがかわいくて、中毒性があるので、昔からずっとプレイしています。ときメモは最近正統な新作が発売されていないので、寂しいですね。『ときめきメモリアル Girl’s Side』いう、男女逆転版の女性向けの乙女ゲームの新作は流行っているみたいなんですけど、私は乙女ゲームには興味がないので。
もちろん、ときメモだけプレイしていると、さすがに飽きてしまいますよね。だから、『サクラ大戦』を初代から新までぶっ通しでプレイしたり、『CLANNAD』のような長編泣きゲーを繰り返しプレイしたり、新作のギャルゲーも手当り次第にプレイしたり、いろいろなゲームをするようにはしています」
彩花さんは、興奮した様子で一気に語りました。ちなみに、この彩花という仮名も、やはりギャルゲーの『Memories Off』のキャラクターから思いついたのだとか……。