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毒親が亡くなったら最低限やるべきこと。相続でモメる家族の特徴とは

可能であれば、絶縁よりも疎遠に

 毒親に限らず、誰もが考えたい相続の問題にまで話が広がった今回。毒親との関係性は程度によるとはいえ、萩生田さんは可能であれば絶縁ではなく疎遠にし、季節の挨拶程度の関係は保ってはどうかと提案します。 「もちろん本当にひどい親に無理をして関わる必要はありません。でも距離を置くだけで済むのなら、最低限、季節の挨拶や記念日のお祝いくらい、ご自分の負担にならない程度にやっても良いのではないでしょうか。  毒親とはいえ、親は『子どもは子ども』だと思っています。縁を切る態度なら親も『もう子どもだと思わない!』と、徹底して反発した態度に出るところが、最低限、誕生日や節目の挨拶をしていただけで、ほんの少しだけ関係がよくなり、後々自分を助けることもあります。ただし、本当に関係が厳しい場合やお金がない親の場合は、この限りではありませんので注意してください!」

親の生活費、無理してでも出すべき?

 ちょっとだけ温かくなる提案の後に、クギを刺す萩生田さん。ちなみに親に借金があったり生活費もままならない場合は、不用意に優しくすべきではないそうです。 「本当にお金がない場合、区役所の生活保護担当の課から連絡をもらうことがあります。『子どもには親に対する扶養義務がありますが、できますか?』という確認の連絡なのですが、これを情で『なんとかします』と答えると、扶養義務が発生し親を養わねばいけなくなります。  というか、役所の人は『子どもには扶養義務があるのでやってください』と強めにくるので、もし従わなかった場合にペナルティがあるかもしれないと思い、扶養を始めてしまうというケースも少なくありません。こうした場合、子もろとも共倒れのリスクが高まりますので、金銭的に厳しい場合は法律上の義務があっても『うちも無理です!』と断ってほしいです」  親や兄弟への扶養義務は、法律的にも「可能であれば」と解釈されていて、断っても別に違法ではないのです。  法律は時に毒親から自分を守る正しい戦い方を教えてくれる。今回の話を聞き、強くそう感じました。どうか毒親に苦しむ皆さんは、心理的なケアも去ることながら、本当に物理的な負担が今かかっているor今後発生しそうな場合は、早めに専門家を頼り、自分の身を守って欲しいです。 【お話を聞いた人】 NEXTi法律会計事務所代表弁護士 萩生田彩さん。東京都生まれ。2012年弁護士登録。17年より現職。著書に『遺産分割実務マニュアル』(共著)ほか。 <取材・文・イラスト/おおおしまりえ>
おおしまりえ
コラムニスト・恋愛ジャーナリスト・キャリアコンサルタント。「働き方と愛し方を知る者は豊かな人生を送ることができる」をモットーに、女性の働き方と幸せな恋愛を主なテーマに発信を行う。2024年からオンラインの恋愛コーチングサービスも展開中。X:@utena0518
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