森山未來がボクサー役に「役に埋没するような生き方はしたくない」
ボクシングはいつまで現役でいられるかの引き際がシビアな世界。一方、俳優・ダンサーに明確な引退はないが、年齢を重ねることをどう考えるのか。
「どこを引き際にするかは人それぞれですけど、肉体的な限界があるぶん、やっぱりボクシングのほうが厳しいでしょうね。ダンスも芝居も、自分がどう生きてきたかがそのまま出るので、終わりのない苦しさを感じるようになったらそこがやめどきなのかな。僕はまだ感じずに済んでいるけど。役に埋没して自分自身を見失うような生き方はしたくないと思っています。どのジャンル、どの現場でも、おもしろい人に出会い、それを活力にしながら生きていくスタンスは変わらないでしょうね」
新型コロナで劇場が苦境に立たされた5月以降、舞台の配信作品に立て続けに3本出演した森山。この状況下に思うことがあるという。
「こういう状況においても、何かを表現したい欲求は止まらないし、そういうものを観たいってみんなが潜在的に思っていることがはっきりわかりました。逆に、生で何かを観るために、わざわざ劇場に足を運んで共有するという、今まで当然のようにできていたことが、太古の昔のように神聖で特別なことに戻った気がする。ここから何ができるのか、どう形にしていくべきかを今、常に考えていますね」
表現者としての輝きを増す森山。彼が切り開く未来に期待を寄せたい。
アンダードッグ
’20年/日本/前編131分・後編145分 監督/武正晴 原作・脚本/足立紳 出演/森山未來、北村匠海、勝地涼ほか 11月27日(金)より[前・後編]同日公開
アンダードッグ
’20年/日本/前編131分・後編145分 監督/武正晴 原作・脚本/足立紳 出演/森山未來、北村匠海、勝地涼ほか 11月27日(金)より[前・後編]同日公開