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これってDV?と思ったら…よくある3つの被害事例。DV被害者にも特徴があった

 こんにちは、恋愛ジャーナリストの おおしまりえです。 DV

意外と身近なDV

 一般的な言葉になったDV(ドメスティックバイオレンス)やモラハラ。その定義は殴るや罵声を浴びせるといった“行為”がポイントではなく、2人の関係性に『支配とコントロールがあるかないか』が判断の決め手となります。例えば「アホ!」という身近な言葉一つとってもDVとなりうる場合もあり、思った以上に身近で、かつ多くの人が自分が被害者だということに気づけていない問題です。  今回は、自分が被害者かもしれないと迷ったときにチェックすべきこと、またDV被害者になりやすい人の傾向について、自身もDV当事者だった中川拓さん、亜衣子さん夫婦に話を聞きました。お二人は現在、一般社団法人 エフエフピーを設立し、DVやモラハラの相談対応や回復プログラムを提供しています。

これってDV? 3つのチェックポイント

 前回記事では、DVの定義と見抜きにくい実例、そしてDVの多くは判断に難しいレベルのものがほとんどだと教えてもらいました。  では、自分がDV被害を受けているかを迷った場合、どう判断すればよいのでしょうか? エフエフピーではHPでDVチェックを用意しています。今回は、その中でも頻出するDV被害について、3つの項目を紹介します。
DVのチェックリスト

DV被害者のチェックリスト。加害者かどうかのリストもある(一般社団法人エフエフピーより)

1:「普通はこうだろ!」と自分が基準であることをアピール  加害者側が「普通はこうだ」と強く定義することで、2人の関係に“自分は正しい、相手は間違っている”という支配の構造を作る一言です。被害者側は「お前は非常識だ」「お前がおかしい」と言われ続けることにより、「自分がおかしいんだ…」と思うようになっていきます。 2:自分を最優先にしないとふてくされる  被害者が加害者よりも別の用事を優先したり、自分の思った通りに動かないことで不機嫌になるパターンです。機嫌が悪くなった態度をアピールすることで、被害者に罪悪感を抱かせコントロールすることを目的にしています。そのうち被害者は「また不機嫌になるのでは…」と思い、自分だけの予定や加害者以外との約束を入れないようになっていきます。 3:受け手がしんどい束縛、相手の全てを把握したい  あなた(被害者)が誰と話すか、誰と一緒にいるかを常に把握したがる行為は、相手が負担に感じていたらDVです。  中川さんご夫婦の場合は、過去にノートや携帯を見せろといった行為があったそうです。加害者的には「やましいことがなければ見せられるでしょ」という、筋の通った主張をしているつもりなのだとか。しかしこの主張は相手にNoと言わせないためだけであり、相手への不信感と不安が根底にあるからこそおこなう行為です。
中川拓さん、亜衣子さん夫婦

中川拓さん、亜衣子さん夫婦

「私たち夫婦も、過去こういった行為が日常的に行われていました。当時はいつどこで誰に会うのか、どんなことを話したのか、全て報告することを義務付けられており、家族以外との連絡も取れない状態でした。  そのため、日常的に支配されるのはもちろん、おかしいと思っても周りに相談できる人が誰もいないんです。その結果、夫に責められる言葉のまま『自分が怒らせる種を作っているんだ』と思っていました」(亜衣子さん) 「おかしい話ですが、DV行為を自分がしていた時、心の中では常に『俺が被害者なんだ』と思っていました。自分は正しくて、相手がおかしい。相手がおかしいから俺は怒らされている。だから俺は被害者なんだ!という……本当にその世界から抜け出せてよかったです」(拓さん)
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DV被害者に共通する3つの傾向
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