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磯村勇斗と阿部サダヲ、人妻との恋を好演。名ゼリフ連発の『恋する母たち』

 木村佳乃、吉田羊、仲里依紗が出演する連続ドラマ『恋する母たち』(TBS系、金曜午後10時~)。話題の本作を、男女関係や不倫事情について長年取材し著書多数のライター・亀山早苗さんが読み解きます。(以下、亀山さんの寄稿)
『恋する母たち』

画像:TBS『恋する母たち』公式サイトより

 ドラマ『恋する母たち』第6話も見ごたえがあった。この回で目をひいたのは、林優子(吉田羊)に別れを告げられてショックを受けた赤坂剛(磯村勇斗)と、蒲原まり(仲里依紗)に恋する今昔亭丸太郎(阿部サダヲ)、人妻に恋するふたりの独身男性のありようである。

妻の浮気を目撃した夫の「メガネをかけなさい」

 優子の自宅近くの路上でキスをしているのを、夫シゲオ(矢作兼)に見られてしまった赤坂剛は、その場で夫と対峙、「愛しています」と宣言する。シゲオは怒りと悲しみを抑えながら、妻に「メガネをかけなさい」と震える声で言った。妻には不倫の“前科”があり、そのときシゲオは「優子ちゃんが美人すぎるからいけないんだ。だからこれからはずっとメガネをかけていて」と懇願したという伏線がある。赤坂もそのことは知っている。夫が激怒を露わにせず、「メガネをかけなさい」と言ったことで、若い独身の赤坂は、一瞬、太刀打ちできないと感じたのではないだろうか。  だが彼はめげなかった。優子に別れを告げられ、「もうどうにもならない」と言われるとその場では一歩退いた。だが勤務先で初の女性役員になるかもしれない優子が、本社から千葉支店営業部に異動し、それが出世コースだと知ったとき、今度は彼女に迫るのではなく、地道に支えようと路線を変更するのである。

「困ったことがあったら、呼び出してください」

 おそらくは初の営業で戸惑っているであろう優子に電話をかけ、「営業のワンポイントアドバイスです。今、営業はみんなあっさりしていますけど、昭和風にやったほうがいいと思うんです。相手は昭和のオヤジですから」と自身の営業経験からアドバイスを送る。わかってるわよ、そんなことと強気に言い返す優子に、「わかっているとは思いますが、わかっているのと実際にやるのとは違うので」と受け流し、さらに「困ったことがあったら、赤坂を呼び出してください。じゃ」とよけいなことはいっさい言わずに電話を切る。  さんざん愛している、僕だけのものになってほしい、結婚しようと言っていた彼とは、まるで違う側面を見せたのだ。意図的にそうやったほうが優子の気持ちが戻ってくると計算したのではなさそうだ。  本当の愛情は、相手の「別れたい」という気持ちを尊重し、苦労している彼女を応援することなのだと彼は察したのではないだろうか。人妻に恋をした若い独身男性が、人として男として一段階段を上ったなと思える瞬間だ。  電話を切った優子は、自宅ベッドサイドでずるずると崩れ落ちる。確かに営業で疲労困憊している。だが彼女が困っているのは、「あなたを忘れられないことなのよ」と心の中でつぶやくのだ。
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生活を失いそうなセレブ妻に熱い言葉
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