不倫沼にハマッた “都合がいい女”、仕事まで失った残念な結末
職場も“彼の家の近く”が第一条件
まさに“不倫沼”にはまってしまった香織さん。その頃は、すべて“彼ファースト”で物事を決めていました。
「いつでも相手の家にすぐ行けるように、派遣先も彼の家の近場の駅を選んでいました。立地重視で、職種なんてどうでもよいので、非常ベルを造っている企業や、製薬会社など、前職とまったく関係ない企業にエントリーしていました。もちろん、残業なしの企業を選んで、定時の前には“彼から連絡が来ないかな……”って、机の中のカバンの中でスマホをチェック。そっちに夢中で、会社の電話が鳴ってもとらないこともありました」
仕事も手に着かないほど、周りが見えなくなってしまった香織さんに不幸が起こります。
「仕事が残っていても残業せずに帰ったり、彼からの連絡を優先していたら、派遣先から契約終了されちゃいました。地方から上京してきた友人との約束の日には、彼から連絡が来たのでドタキャンして、友情にもひびが入りました。彼に会うための洋服でカード借金も作り、今思えば、あれは精神的にも、金銭的にも、どん底でした」
彼と別れて“滝行”へ!連絡先も削除
恋愛だけでバラ色の日々だった香織さん。しかし、不倫相手には次の恋人ができたため、急に疎遠になりました。
「彼が急に連絡してこなくなって、確かめたら新しい彼女ができたって白状しました。私もこのままではいけないと思っていたので、知人がSNSにアップしていた滝行に行ってみたんです」
まさに崖っぷちの滝行は、どのような変化をもたらせたのでしょうか。
「最初は話のネタにでもなればと思っていたのですが、白装束を着て、寺の清掃や般若心境を読んだらすっきりして、彼の連絡先を消しました。終わった後に、一緒に参加していた女性と話したら、彼女も不倫だったとか……。体と気持ちもさっぱりして、どん底からおさらばできました」
人生の分岐点として行った滝行。彼女にとっては、どん底からの脱出の起爆剤となったようです。
―私のドン底記―
<取材・文/阿佐ヶ谷蘭子 イラスト/カツオ> 1
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