Entertainment

『M-1』4位の「錦鯉」が気になる!松本人志も「来年は引っ張りだこ」と予言

錦鯉を見て、将来を悲観し涙する若手も?

 そして、錦鯉でネタ以上に面白いのが長谷川さんの年齢を元にした自虐ネタと苦労話です。なかでも語り草になっているのは、いつものようにネタのつかみで「バイト始めて30年だよ!」と明るく言ったところ、それを聞いた20代のある若手ピン芸人が楽屋で「あの人、俺が生まれる前からバイト続けてんのに、まだ芽が出ないのかよ」と泣いたというエピソード(2020年8月30日配信『FLASH』より)。錦鯉を見て、将来を悲観してしまったのでしょうか?  長谷川さんがギャンブルによる借金で首が回らなくなり、自己破産を相方に勧められたり、いまだに後輩芸人に数百円単位の金を借りていたり、過去に牛丼屋での週5の深夜バイトや、マツモトキヨシという源氏名でホストのバイトをしていたなどという、決勝進出記者会見や多くのバラエティ番組で語られているエピソードの数々は、彼のキャラクターも相まって泣けるを通り越して笑いがこみあげてくるものがあります。  第七世代と呼ばれる20代~30代前半の芸人が大活躍している昨今。彼らの中には会社員をやりながら副業として芸人をやっている人や、「いやになったらいつでもお笑いを辞める」と宣言している芸人もいます。  錦鯉はふたりとも就職氷河期直撃世代。彼らが芸人を目指し始めたころは社会に出るための選択肢は少なく、一度夢を追いかけてしまったら簡単に引き返してやりなおせるような時代ではありませんでした。  第七世代の無理をしない新しい価値観・感覚が歓迎されている今、お笑い一筋で長い苦節の末にやっとM-1という大舞台で陽の目を見た錦鯉は、ある意味、最近活躍しだした芸人の中で特異な存在なのかもしれません。そして、もし本当に松本人志の予言通りに彼らが活躍するようになれば、同世代を生き、今もなお苦しみ続けもがいている就職氷河期世代の人々にとって希望の星となるのではないでしょうか。  南海キャンディーズ、オードリー、ぺこぱなど、M-1で優勝せずともお茶の間の人気者になった彼らのように、錦鯉も2021年のバラエティを席捲(せっけん)する存在となるのかも!?  ちなみに結成15年まで出場できるM-1グランプリ。彼らはまだ結成8年目なので、長谷川さんが56歳になるまで出場できるのだそうです。来年も再来年も出場し、優勝、あるいはラストイヤーまで完走するのを見守りたいですね。 <文/小政りょう>
小政りょう
映画・テレビの制作会社等に出入りもするライター。趣味は陸上競技観戦
1
2
Cxense Recommend widget
あなたにおすすめ