その他に、“楽天ならでは”のメリットもあるようです。
eコマースの「楽天市場」には、条件に応じて買い物にポイントが付与される仕組み(スーパーポイントアッププログラム、SPU)があります。
楽天モバイルに登録した人は、買い物のたびに、よりたくさんのポイントがもらえるようになるのです。

「
楽天市場のSPUで、楽天モバイル契約者は+1倍。これはお得です」(40代女性、iPhone 11で利用)
「楽天市場のSPUが+1倍だという点に惹かれました。オムツやおしり拭きなど、子どものための消耗品をネットで買っているので」(20代女性、iPhone 7で利用)
SPUの仕組みは複雑ですが、
身の回りのサービス(クレジットカード、ネット回線、電子書籍など)を「楽天◯◯」にすればするほど、楽天市場でお得に買い物ができるようになります。
楽天モバイルは1年間無料なのですから、これは
1年の間、ポイントの増加分を“タダ取り”できるということです。
この話を聞いて私は、「その手があったか!」と思いました。
やっぱり、「SPA!」で働くのは目ざとい人たちばかりです。きっと小銭が落ちる音にも、敏感に反応しているんだと思います。
こうして契約者の声を聞いていくうちに、楽天モバイルの現在の姿が見えてきました。
対応エリアはまだまだ発展途上なので、エリア外で使っていると、「都会はいいよな」と嫉妬することになりそうです。
エリア内での通信速度は実用水準ですが、電話やSMSを頻繁に使う人にとっては、「Rakuten Link」アプリの不便さがウィークポイントといえるでしょう。
結論として、「アリかナシか」の2択で言えば、断然アリです。
なぜならば、無料だからです。この一言ですべて説明がつきます。
無料期間が終わるのと同時に解約してしまえば、フトコロは痛みません。それならばダメ元で、新規に契約したほうが得です。楽天市場のポイントも増えるわけですし。
ただ、結論とは別に、いくつか気になる点があります。
業界の新参者である楽天モバイルは、現在の通信に用いられている「4G」と、これから普及する「5G」、両方の設備に投資しなければなりません。これには、たいへんなお金が必要です。
問題は、それだけではありません。最大手のドコモがすでに「ahamo」を発表し、ソフトバンクも22日の発表でこれに並びました。追いかけるauにしても、新しい「格安プラン」を準備しているはずです。
来年度までには、大手3社の格安メニューが出揃うでしょう。その頃には、楽天モバイル契約者の無料期間は終わっています。果たして楽天は、我々ユーザーに対し、ドコモやソフトバンク以上の魅力ある選択肢を提示できるでしょうか。
楽天モバイルという会社は、携帯料金の高止まりという現状を打破するために、長らく待ち望まれていた「
優秀な転入生」でした。その転入生がいま、岐路に立たされています。
<文/ジャンヤー宇都>
ジャンヤー宇都
「平成時代の子ども文化」全般を愛するフリーライター。単著に『多摩あるある』と『オタサーの姫 〜オタク過密時代の植生学〜』(ともにTOブックス)ほか雑誌・MOOKなどに執筆。Twitter:
@utojunya