毎月、当たり前にあると思っていた排卵や生理が、実はからだに大きな負担をかけている。とご存知ですか。

「現在、初経の平均年齢は12歳ですが、昔は16歳位。年間に生理は14回ありますから、4年増えれば、それだけで約60回も排卵と生理が増えるわけです。しかも、近年は昔に比べ出産回数が激減しています。1人出産すると妊娠期間中と授乳期間中を合わせて2年間近くは排卵を休憩しているため、その間生理もありません。昔のように生涯のうちに7~8人出産していると、合計15年くらい排卵と生理を休憩しているということになります。しかし、今は出産したとしても1人か2人が多く、ゼロも珍しくありません。つまり、
現代女性はずっと排卵と生理がフル回転状態。現代女性は生涯のうちに450回以上も生理があって、これは6年間ずっと出血し続けているのと同じことになります」
排卵は妊娠のためには必要なものだけれど、妊娠を希望していないときにはからだに大きな負担を課すものだったのです。
現在、子宮筋腫は4人に1人、子宮内膜症は10人に1人、月経前症候群は2人に1人と、婦人科系の病気に悩む人は少なくありません。なかでも、子宮内膜症はこの40年で30倍に増加。

「これらの病気は女性ホルモンが関与しており、排卵回数が多ければ多いほどリスクが高くなります。ピルは排卵が休憩できるので、もちろん避妊効果もありますが、
増えすぎた排卵を休憩することで生理痛や過多月経、子宮内膜症、PMS(月経前症候群)、月経不順を改善したり、卵巣癌や子宮体癌などの悪性腫瘍のリスクを低下させたり、ニキビや肌荒れの改善にも効果がある、など様々な報告がされています」と深沢先生は指摘します。